2016.11.02

れんこんのもちもちのヒミツ

レンコンの煮もの 蓮根 れんこん

 

食品素材の商社で、自社で取り扱う様々な素材の提案をするため、クッキー等の焼き菓子や飴・グミなど、日持ちのするお菓子を作る仕事をしていたことがあります。

お菓子作りって意外と科学でできているんですよね。

何年か前に、白いたい焼きが流行りましたね。
あれはメイラード反応という反応が関係しています。通常の茶色のたい焼きは、小麦粉のたんぱく質と砂糖が反応してメラノイジンという物質が発生することで、こんがりと茶色く焼けます。
逆に、白いたい焼きを作るには、小麦粉の代わりにたんぱく質が少ない米粉やタピオカでんぷんを使用することで、たんぱく質と砂糖のメイラード反応を抑え、白く仕上げます。


秋から冬にかけて旬のレンコン。
主成分はでんぷんで、食物繊維を多く含有しています。ビタミンCが100g中55㎎と非常に豊富で、レモンと同等に含まれているほかに、タンニンなど特徴的な成分も含まれています。

レンコンはシャキシャキとモチモチ、料理によって様々な表情を見せてくれますよね。
実は、料理も科学のチカラで様々な変化を楽しめます。

野菜がシャキシャキはするのは、植物の細胞をつなぎ合わせる働きをするペクチン(水溶性の食物繊維)が関係しています。野菜を加熱すると柔らかくなるのは、このペクチンが加熱で溶け出して、組織構造が緩むためです。
この現象は中性あるいはアルカリ性のときに起きやすいので、レンコンをシャキシャキ食感に保つためには、ゆでる際に酢を加えて弱酸性にし、ペクチンが溶け出すのを防ぐのがポイントです。

また、レンコンがモチモチするのは主成分のでんぷんが関係しています。でんぷんは水と熱を加えると粘りが出る性質があるので、モチモチ食感になるんですね。

何気なく口にしている食材も、味や食感・見た目の秘密がわかってくるとまた面白いですね♪

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