2016.12.28

薬膳の基本的な考え方

クコの実 薬膳

 

わたしは現在、管理薬膳師をの資格を取るべく、薬膳について勉強しています。

みなさんの中でもまだ、薬膳について知っているという方は少ないかもしれませんね。

当コラムにて、わたしと一緒に少し薬膳について学んでみませんか。

 

薬膳は東洋医学をベースにした栄養学です。

西洋医学は、検査データに異常値を発見することで病気と判断し、対処法を考えます。

それに対し、東洋医学は検査データでは異常がみられなくとも、体調不良などの自覚症状がでている時(未病)にどんな対処をしていくか、というものです。

病院に行ってもどこも異常がないけれど、いつもと体の調子が違う。

でも異常がないから薬もないし…。

という事を経験されている方も多いのではないでしょうか。数値の異常がなくても、体は不調を訴えているって、どうしたらよいかわからない。ただただ、苦しい時間を過ごすしかありません。

また、病気になってから手術や栄養治療を施すのは、時間とお金がかかるうえ、その身体的・精神的疲労も激しいものです。わたしはずっと、どうにかしてもっと楽に健康なひとが増やせないか、病気で苦しむひとを減らせないかと思っていました。


そこで出会ったのが予防医学である、東洋医学です。
未病の段階で注意を払うことで、大きな病気にならず健康な体でいられるのでは思い、興味をもちました。

薬膳は中医学(中国伝統医学)の理論に基づき、食べ物の働きを組み合わせて作られた食事のことです。その時の季節や体調、体質に合わせて食べ物の組み合わせを変えていきます。体と心のバランスをとり健康の維持、病気の予防・治療・回復、老化防止を目的とします。

栄養学のように、1日にビタミン○○mg摂取しましょう!といった決まりがあるのではなく、風邪の症状がある時はこの食材を摂るとよいですよ、というように栄養素ではなく、食材にフォーカスします。


今後みなさんに役立ちそうな情報や難しく聞こえる専門用語についての解説をこちらのコラムで発信させていただきます。

今回はまず、基礎の基礎をお伝えしたいと思います!


陰陽五行について


薬膳について話すのに、まずは陰陽五行学説は外せません。陰陽学説と五行学説をあわせて陰陽五行学説といい、中医学の基礎理論です。

宇宙の森羅万象すべては陰と陽の「気」が交じり合って出来ていると考えます。世の中のすべてのものは陰と陽の2つの要素で構成されているという考えです。

「気」とは目に見えないほど小さくて絶え間なく動いている物質です。

「元気がないね」、「やる気に満ちているね」「気合だ!」など、「気」は目には見えませんが、何気なく普段感じ取っています。

このことを陰陽学説といいます。

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このマークをご覧になったことはありませんか。
陰陽をあらわすマークです。白の中に黒の点が入っていますね。(または、黒の中に白の点。)

これは陽ばかりでも健康ではなく、少しだけ陰が入ることでバランスがとれます。
すべては中庸(バランス)が大切、ということを表しています。


また、自然界のすべてのものを、木・火・土・金・水の5つの特性に分けることを五行学説といいます。季節や内臓、味・色・感情などすべてのものを5つに分類し、わたしたちが自然とともに健康に生きるためにはどうしたらよいかを考える指標にしました。

下の図をご覧ください。それぞれの関係性を整理してみました。

薬膳や漢方、鍼灸は中医学をベースに、中医学は陰陽、五行学説がベースになっています。

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薬膳・漢方・鍼灸は似たようなイメージがあると思いますが、漢方は薬で、薬膳は食事から、鍼灸は外側からのアプローチで自らの健康を守ろう、というものです。

 

薬膳は体調に合わせてどんな食材を選ぶか?がポイントです^ ^

自分がどんな体調なのか、また、季節に合わせてどんな事に気をつけるとよいのかなどもわかってきます♪

薬膳を少しでも身近に感じてもらえると嬉しく思います。

 

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