働く大人にこそ大切な『食育』とは?
毎年6月は食育月間です。『食育』と聞くと、子供向けの食事に関する教育、という印象があるかもしれません。
ですが、自由に食を選べる大人こそしっかり食育を見直していきたいものです。
健康になる良い習慣について一緒に振り返ってみませんか。
食育とは?
食育とは、農林水産省によって定義づけられており、『さまざまな経験を通して「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てること』とされています。
食育は「子供向けのもの」「大人には関係ない」というイメージや、学校などの教育機関、国が実施するものという考えもあるようですが、決してそうではありません。「食育」は、全ての国民の心身の健康と増進のためのもの。私たち大人も含めて、家庭でもしっかりと取り組んでいきたいものです。
食育を知るメリット
慢性的な疲れや体調不良、健康診断で再検査項目などはありませんか?
自由に食べられる環境だど、自分の好きなものや食べやすいものを選ぶなど、栄養の偏りや不規則な食事になりがちです。
体調不良の原因は、食事に由来することもありますが、それに気づかないこともあります。
食育によって、健康によい習慣を身につけ、病気になりにくい体づくりを目指すことが可能です。
人生100年時代と言われている今、いくつになっても元気で健康に過ごすためには、健康的な習慣を身につけておきたいですね。
現代の食卓の問題点、6種類の「こ食」とは
一昔前は、家族全員で同じものを一緒に食べることが当たり前でしたが、現代ではライフスタイルの多様化によって、家族と一緒に過ごす時間が減ったり、一緒に食事をする機会が少なくなったりしています。
このようなライフスタイルから、6種類の「こ食」が生み出され、問題を指摘されています。
・「孤食」一人で食べる家族不在の食事
・「個食」家族それぞれが自分の好きなものを食べる
・「固食」自分の好きな、固定のメニューしか食べない
・「小食」食欲がなく、食べる量が少ない
・「粉食」パンやパスタなど粉製品を好んで食べる
・「濃食」味の濃い物を好んで食べる
例えば・・・
・パパは仕事で先に出てしまい、ママは支度でバタバタしていて、子供1人で食事を摂る「孤食」
・朝はパン食、昼や夜は麺類を食べる習慣があり、ご飯を食べる日がほとんどない「粉食」
・疲れやストレスなどから味の濃いジャンクフードなどを好んで食べてしまう「濃食」
当てはまる「こ食」が多いほど、栄養バランスの偏った食事になりやすいととも言われています。また、コミュニケーションを取る機会が少なくなるため、社会性や協調性の有無にも関わってくると考えられています。
上記の6種類の「こ食」を意識して減らそうとするだけで、家庭や職場での食事が変わるかもしれません。
大人の食育の第一歩
正しい栄養バランスや食事の習慣を身につけることは、体の健康のためにとても重要ですが、いつも食事のことを意識し続けるのは難しいもの。
自分がどんなものを食べているか、どんな栄養素をとっているかを知るために、まずは毎食の食事の記録を付けてみてはいかがでしょうか。
食事内容を記録すれば、1日の食事でとれた栄養量がわかる便利なスマートフォンアプリもあります。
自分の食事の習慣を知ることが、『食育』の第一歩です!
ぜひ、この機会に毎日の食事と、ご自身の健康に向き合われてはいかがでしょうか。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士