その疲れ、『寒暖差疲労』かも?自律神経を整えて対策しよう
新緑の季節になりました。柔らかな日差しの中、散歩をするのが気持ちがいいシーズン。
ですが、季節外れの夏日を記録したり、10年に一度の低温がくるなど、気温差が10℃以上になるもしばしば。
ここ最近の寒暖差は、特に激しいことが多くなり、体調を崩すひとも多いのではないでしょうか。
体調を崩すまではいかなくても、疲れがとれないなぁという方、それは『寒暖差疲労』かもしれません。
『寒暖差疲労』とは、気温の寒暖差が大きいことにより、自律神経の働きが乱れ、体が疲れることを指します。
今回は、寒暖差疲労の対策をお伝えしていきます。
気温差が体調不良の原因?
寒暖差疲労とは、気温差が7℃以上大きいと起こりやすいと言われていて、体温を調節している自律神経が過剰に働くことで体調不良を引き起こす「気象病」のひとつです。
全身の倦怠感、冷え症、肩こり・首こり、頭痛、胃腸の弱り、イライラ、不安感、アレルギーなどの症状があると言われています。
東洋医学において、春は季節柄、自律神経が乱れやすい時期です。もともと乱れやすい時に加え、気温差によっても自律神経の調節がうまくいかないとなると、しっかりと対策が必要ですね。
寒暖差疲労 対策にはこんな食事がおすすめ
寒暖差疲労を対策する、食事のポイントは3つ。
①体が温まる食事
②免疫力を高める食事
③肝臓をケアする食事
この3つを意識して食事をとることで寒暖差疲労を低減することができます。
①体が温まる食事
体が冷えるということは、自律神経がうまく働いておらずバランスが乱れている状態です。
体を温めて、自律神経の働きを助けていくことが大切です。
体を温めてくれる食品を『陽性食品』といいます。生姜のイメージが強いと思いますが、他にも以下のような食材があります。
○寒い季節や地域で採れるもの:さくらんぼ、りんご、ぶどうなど
○土の中で育つもの:にんじん、かぶなど
※ごぼう、れんこんは冷やすので注意してください。
○黒、赤やオレンジなど暖色系のもの:黒豆、ひじき、えび、紅鮭、小豆、卵など
逆に、暖かい季節や地域で育ったものや寒色系のものは体を冷やしやすいので、とりすぎには注意していきたいですね。
②免疫力を高める食事
寒暖差によって引き起こされるのは疲労だけでなく、免疫力も下がるので風邪などにもかかりやすくなります。
以下のような、免疫力を高める食材も取り入れることをおすすめします。
○にんじん:ビタミンAが豊富で、体内の粘膜を正常に働かせる。
○ブロッコリー、れんこん、じゃがいも:免疫の調整作用があるビタミンCが豊富。
○長ネギ、にんにく、たまねぎ:硫化アリルが豊富で、一部がアリシンという成分に変わり、体力回復に役立つ。
○かぼちゃ:β‐カロテンが豊富で、粘膜などの細胞を強化する。
③肝臓をケアする食事
先に触れましたが、東洋医学において、春は自律神経を司る肝臓の働きが乱れやすい時期。肝の機能を活性化する効能があると言われている、いちご、うなぎ、レバーに加え、香りのいい食材や酸味のある食材をとることがおすすめです。
○肝臓を整える食材:うなぎ、レバー、いちご、セロリ、トマト、ピーマンなど
○香りのある食材:ゆず・グレープフルーツ・みかんなどの柑橘類、シソなど
○酸味のある食材:レモン、酢、梅など
まとめ
自律神経の乱れによっておこる寒暖差疲労。食事からの面からの対策をお伝えしました。ストレスがかからないよう、ご自身に身近な食材を使って、食事に取り入れていってみてくださいね。
食事の他には、お風呂にしっかり浸かって体の外側から体を温める、軽い運動や深呼吸も自律神経を整えるのにおすすめです。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士