節分で食べる大豆、この時期の体におすすめなワケ
2月の行事と言えば「節分の日」。
立春の前日の行事で、お家で豆まきをする方もいるのではないでしょうか?
今回は、豆まきで使う【大豆】が、薬膳的な面からみるとこの時期に食べるとぴったりなワケを紹介していきます。
立春のからだのトラブル
寒い冬が終わりを告げて春へと向かう「立春」に。まだ寒さの厳しい時期ですが、暦の上では春が始まります。
春は風の邪気=風邪(ふうじゃ)によって体調にトラブルが発生しやすい時期。
花粉症に代表されるくしゃみ、鼻水、頭痛、目のかゆみなどの症状がでやすいですので気を付けたいですね。
立春の時に食べるとよいもの、控えたほうがいいもの
春は、冬の栄養の貯蔵庫として働いていた肝臓の働きが活発になります。
肝臓は、食べたものを体に必要な栄養に変える、解毒する、いらないものを排泄するといった大切な働きをする臓器です。冬から働きすぎて疲れている肝に悪影響が出る時。
「肝」は五臓のうちのひとつで、肝臓のほかに筋肉や目、つめ、神経、精神活動とも深い関係があります。また、肝臓の働きに必要な血液やリンパ液といった体液の流れも停滞しやすく、貧血や栄養不足になりやすいです。
そこで、春は、「肝の働きを助ける食材」と「血液を補う食材」、そして「滋養強壮効果がある食材」を意識した食事が大切になります。
肝の働きを助ける食材:穴子、貝類、シシトウ、セロリ、トマト、ニンジン、ピーマンなど
血液を補う食材:アサリ、イカ、カツオ、黒ゴマ、キクラゲ、ひじき、ほうれん草、ヨモギなど
滋養強壮効果がある食材:カニ、豚肉、ブリ、山芋、クコ、黒豆、卵、イチゴなど
また、お酒の好きな方にはつらいですが、肝機能の低いこの時期には、アルコールは控えめにすることをおすすめします。
ちなみに、怒ると肝臓に悪いとも言われているので、ゆったりとした気持ちでいることも大事になります。
立春には大豆もおすすめなワケ
先ほどの食材にプラスして、オススメなのは、高たんぱくの食品です。
良質のたんぱく質は肝臓ケアに欠かせません。お肉などの動物性のでも、大豆など植物性でもどちらでも大丈夫です。
薬膳において、大豆は胃の機能を向上させる食材として挙げられています。
大豆の薬膳的効能は「解毒」「消腫(しょうしゅ)」「寛中(かんちゅう)」「利湿」などがあります。
解毒とはデトックスのことです。大豆には、冬の間にためた余分なものを排出する作用があります。
消腫とはむくみを取る働き、寛中とは消化不良を解消する働き、利湿は利尿作用のことです。
肝臓の機能が落ちると、胃と膵臓も弱り、栄養の吸収力が下がって、体力が落ちることがあると言われています。
肝臓のケアと共に、胃のケアも一緒にできる大豆はこの時期にぴったりですね。
まとめ
節分でまいた豆は、年齢と同じ数だけ食べると体が丈夫になり風邪をひかないと言われています。
煎った大豆を挽いたものきな粉。そのまま食べるのもいいですし、きな粉として使うのもいいですね。
ぜひこの日は大豆(大豆製品)を摂って、冬の間にたまったものを解毒したり、肝臓や胃をケアし春に備えてはいかがでしょうか。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士