暑い夏こそ貧血に注意!
今年の夏も、最も暑かったとされる昨年と同じくらい暑くなると言われています。
熱中症にならないようにすることはよく耳にしますが、実は夏は『貧血』にも注意が必要。
汗と一緒に体にとって大切なミネラルである『鉄分』も流れていってしまい貧血にもなりやすいのです。
今回は、夏の貧血対策についてお伝えします。
鉄分が不足するとヘモグロビンが減少
貧血になる主な原因は、鉄分の不足です(鉄欠乏性貧血)。血液中に含まれるヘモグロビンは、全身に酸素を運ぶ役割をしています。ヘモグロビンは、〈ヘム鉄〉と〈グロビン(たんぱく質)〉がくっついてできたものなので、体内の鉄が少なくなるとヘモグロビンも少なくなっていきます。そうすると全身に酸素を運ぶ量も減るため、動悸や息切れ、全身の倦怠感、食欲不振などに繋がってしまいます。
鉄分は、ただでさえ不足がちなミネラルの上、夏は汗と一緒に流れていってしまいます。また、夏は食欲も落ちる事も多いので、十分な栄養が摂れていないことも。
具体的な貧血対策
貧血の予防や改善のために普段の食生活の見直して、食品から十分な鉄を摂ることがポイントです。
ですが先も述べたように、鉄は不⾜しやすいミネラルであり吸収率も低いのです。さらに、体内に貯蔵しておくことが出来ず代謝によって利用されるため、毎⽇の⾷事からしっかり補うことが必要です。
食品中に含まれる鉄には〈ヘム鉄〉と〈非ヘム鉄〉があり、ヘム鉄は動物性食品に多く含まれ、非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれているのが特徴です。それぞれの吸収率はヘム鉄が20%前後で、非ヘム鉄は5%前後と低く、せっかく摂っても多くは排泄されてしまい、⾷べ貯 めはできません。
これでバッチリ!鉄分を多く含む食材と吸収率をあげる方法
鉄分を多く含む代表的な食品としては、鶏レバーや赤身の肉、ホウレン草、小松菜、カキ、アサリ、切り干し大根、大豆、高野豆腐、納豆、ひじきなどがあります。
食材の食べ合わせで、鉄分の吸収率を上げる方法があります。
①たんぱく質と食べる
②ビタミンCは、非ヘム鉄を吸収されやすい形にする。
ビタミンCは、ブロッコリー・パプリカ・レモン・アセロラ・キウイなどに多く含まれています。
逆に、吸収を阻害するものもあります。
緑茶や紅茶に含まれるタンニン、コーヒーに多く含まれるカフェインは鉄と結合して吸収を阻害してしまいます。
食後のコーヒーや紅茶は、30分は控えることがおすすめです。
夏の暑い時期には、鉄が多く含まれる豆腐で冷ややっこに、ビタミンCが多いブロッコリースプラウトとシラス(たんぱく質)をトッピングはいかがでしょうか(^^♪ オイルと少し塩を振って食べると美味しいですよ。不足しがちなカルシウムも補えるメニューです。ぜひお試しください。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士