なんだか物悲しい・・・秋のプチうつ対策
秋になるとなんだか物悲しい、寂しい気持ちになることはありませんか?
今回は、なぜそういう気持ちになるのか、また、対策をお伝えしていこうと思います。
秋になると寂しくなるのは理由がある?
東洋医学において、生命活動を妨げる「邪気」のうち、からだの中で発生して悪影響を及ぼすものを「内邪(ないじゃ)」と呼びます。
「内邪」にも様々なものがあるのですが、身体に悪影響を及ぼす心の動きを「五志」と呼びます。
「五志」は、「怒・喜・思・憂・恐」に分けられ、いずれも度が過ぎると「五臓を傷める」とされています。
五臓とは、「肝・心・脾・肺・腎」です。現代医学でも「肝臓」や「心臓」などがありますが、東洋医学での「五臓」とは働きや機能が一致するものもあれば全く違うものもあります。
秋の季節に対応する五志は、『憂い』とされています。
秋に入り、なんだか悲しいことが増えた・・・と感じている方もいるかもしれません。
でも、安心してください、自分だけに起こっているわけでなく、季節柄、悲しい気持ち・憂鬱な気持ちになりやすいのです。
季節が関係しているのか、と思うと少し気持ちが楽になりませんか。
秋のプチうつ:悲しい気持ちが強くなりすぎると出てくる症状
悲しい気持ちが強くなりすぎると、関連している「肺」の調子が悪くなります。「肺」は呼吸器系の機能を司っており、さらには肺に関連する鼻や喉、肌の不調にもつながります。
以下に、症状などを記載します。
《気になる不調》
気分の落ち込み・脱力感、覇気がない、声が弱い、涙もろい、理由もなく悲しくなる、不眠、不安、頭痛、のどの閉塞感
《症状》
息切れ、咳、痰、冷え、カゼを引きやすい、皮膚の乾燥、髪のパサつき、口の乾燥
症状まで出ていなくても、気になる不調が当てはまれば、【肺】が弱ってきている可能性が考えられます。
秋のプチうつ:セロトニンとの関係
西洋医学において、秋のうつ傾向は、セロトニン不足がひとつの原因だと言われています。
このセロトニンは、脳内で働く神経伝達物質のひとつで、感情のコントロール、神経の安定に深く関わっています。セロトニンは、日照時間が短いと分泌量が減るという特徴を持っており、夏よりも日照時間の短い秋はセロトニン分泌量が減少する傾向にあるといわれています。
季節の変わり目、特に日照時間が短くなる秋や冬に多く見られることから「季節性うつ」「冬季うつ」「ウインター・ブルー」など様々な呼ばれ方があります。
秋のプチうつ:食事の対策
こんな秋の憂鬱な状態も、食事に気をつけることで防ぐことが可能です!セロトニンを増やす食材で、さらに肺にもよい食材を摂ることがポイントです。
セロトニンの材料は、必須アミノ酸のトリプトファン。トリプトファンは体内で生成できないので、食事から摂らなければなりません。
【おすすめ食材】
バナナ、牛乳、卵、大豆、豆腐、ピーナッツ、アーモンド、くるみ
トリプトファンは、ビタミンB6と一緒に摂ると合成されやすくなるので、併せて摂ることがおススメ。ビタミンB6は、鮭、さば、さんまなどの魚類、鶏胸肉やささみなどの脂身の少ない肉類、酒粕や抹茶、ごまなどに豊富に含まれています。
また、セロトニンを増やすのは、食事だけでなく、朝日を浴びる、規則正しい生活を送る、運動をすることでも効果が高まります。
出来ることから少しずつ取り入れてみませんか。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士