2022.11.01

毎日の飲み物で内側から冷え対策

日に日に寒さが増して、すっかり秋本番。紅葉している木もチラホラ見かけるようになりました。

ですが、11月7日には立冬を迎え、暦の上では冬の始まりのタイミングです。体はもう冬に向けて準備をしていきたいところです。

冬は冷えが大敵。冷えは万病のもとなので、しっかり体を温めて体調を調えたいですね。

今回は、普段の飲み物がどんな効能があるか知って、体を温めるポイントをお伝えしたいと思います。

 

薬膳的視点の五味・五性(ごみ・ごせい)とは


はじめに、食材の特徴を理解するうえでとても大切な薬膳の考え方、【五味・五性】についてお伝えします。

五味とは、食材を5つの味に分類しています。

作用や身体のどの部位に働くかなど、それぞれ特徴があります。単純に舌で感じる味ではなく、食物そのものが持っている性質で分類されます。砂糖で甘く味付けしたら「甘」になるということではありません。

一つの食物でいくつかの味を備えているものもあります。その場合は「苦甘(苦味と甘味)」のように記載します。

酸 (すっぱい)
苦 (にがい)
甘 (あまい)
辛 (からい)
鹹 (しおからい)

の5つに分類しています。

五性とは、食材が体にどう作用(温めるか冷ますか)するかを五種類に分類しています。
日常に食べる食物の約7割は「平性」です。

同じお茶でも、発酵度の違いで五性が変わることがあります。
その場合は「涼/平(涼または平)」のように記載しています。

熱 (温める力が強い)
温 (熱性より穏やかに温める)
平 (温めも冷やしもせず、偏った影響を与えにくい)
涼 (寒性より穏やかに冷やす)
寒 (冷やす性質が強い)

 

身近な飲み物の五味・五性を知る


緑茶

五味は苦甘、五性は涼です。

緑茶は体の熱を冷ます効果が高いです。そのため、冬場や冷えが気になる人は控えるほうが賢明です。
また、胃腸の弱い人は、朝食前に飲むのは控えてください。胃腸を冷やし、消化機能の低下を招きます。

・体にこもった余分な熱を冷ます
・イライラやダルさを解消、頭をすっきりさせる
・眠気解消
・消化促進(食後の飲用がオススメ)
 

麦茶

五味は甘、五性は涼です。

麦茶は大麦を炒って、煮出したものです。
ノンカフェインのため、子供も妊婦さんも安心して飲めます。

・体にこもった熱をとり、暑気あたりを予防
・消化を助ける

 

ウーロン茶

五味は苦甘、五性は涼です。

ウーロン茶は油を分解する働きがあるとされ、脂っこい食事にはぴったりです。

・消化を促進し、脂肪燃焼
・食べ過ぎによる膨満感を緩和
・利尿作用(水分代謝を高める)
・精神を安定

 

ジャスミン茶

五味は辛甘、五性は温です。

ジャスミンの花を乾燥させたもの。自律神経を整えるので、鬱気分やイライラ、胸のつかえなどに有効です。

・気の巡りを良くする
・リラックス効果でストレス解消、気分転換
・自律神経を整える
・胃腸の調子を整える
・不眠多夢の改善

 

紅茶

五味は苦甘、五性は温です。

紅茶は体の冷えが気になるときや、少し憂鬱な気分のときにお勧めです。
穏やかな性質のため、胃の弱い人でも飲みやすいです。

・体を温め、冷えを解消
・精神を安定、リラックス効果
・利尿作用

 

プーアール茶

五味は苦、五性は温です。

プーアール茶は、発酵茶で体を温め胃腸に優しいです。脂肪分を吸収させずに体の外へ排出する働きがあるとされ、ダイエット茶として有名です。

・動物性脂肪を分解(肉食の胃もたれ改善)
・消化促進、胃の働きを助ける
・利尿作用(体内に溜まっている不要物を排出)
・二日酔いの改善(二日酔いの朝に飲むと、気持ち悪い胃をスキッとしてくれます)

 

まとめ


よく飲まれるお茶の性質についてご紹介しました。皆さんは普段どんなお茶を飲まれていますか?

緑茶と麦茶、ウーロン茶は体を冷やす効能があるので、夏にはいいですが、冬には控えた方がよさそうですね。
冬には、体を温める性質がある、ジャスミン茶、紅茶、プーアール茶がおすすめです。記載した効能で気になるものがあれば、そのお茶をチョイスしてみはいかがでしょうか。

緑茶や麦茶、ウーロン茶を飲むときは、温めて、少しでも体を温めるようにすることがポイントです。

風邪を引きやすいこの季節、まずは毎日飲むお茶を変えて体の内側から温めていきたいですね。

 

一覧へ戻る