2021.08.01

第3のミルク「オーツミルク」牛乳や豆乳、アーモンドミルクとの違いは?

オーツミルク オートミール オーツ麦

皆さんはもうオーツミルクを飲まれましたか?オーツミルクとは、オーツ麦(えん麦)から作られる植物性ミルクです。オーツ麦とは穀物の一種で、オートミールやグラノーラの原料としても知られています。
オーツ麦については、こちらのコラムに詳細を記載していますのでこちらもご参考ください。

オーツミルクは、第1のミルクである牛乳、第2のミルクといわれる豆乳に続き「第3のミルク」ともいわれ、最近テレビなどにも取り上げられるなど、とても注目されています。注目の理由は、オーツミルクからさまざまな栄養素が摂れることや、牛乳の代わりの植物性飲料として取り入れやすく、アレルギーや乳糖不耐症などの理由で牛乳が飲めない方や、動物性食品を避ける菜食主義者の方に多く取り入れられている様です。

最近よくスーパーにも並んでいるようになりましたが、牛乳や豆乳、アーモンドミルクなどとどのような違いがあるのでしょうか

 

オーツミルクはどんな味?


オーツミルクは、牛乳のようなコクがありますが、さらっと飲み口でとてもあっさりした味わいです。クセも無く飲みやすく、ほんのりとした甘さがあります。少しきなこのような、香ばしさも感じられるものも。味に主張がないので、コーヒーや紅茶、プロテイン、料理などにも合わせやすいのではないでしょうか。

 

オーツミルクは他のミルクとどう違う?


オーツミルクは他のミルクと比べるとどのような点が違うのでしょうか?まずは、栄養価を比べてみます。
今回、オーツミルク・アーモンドミルクは一般的に販売されているD社のAとG社のBという商品を比較対象として使用します。

100gあたりの栄養成分値の違いは以下の通りです(※)

※普通牛乳、無調整豆乳は文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参照。

 

オーツミルクの栄養


オーツミルクはオーツ麦由来の栄養素のほかに、製品によっては栄養素が添加され、強化されています。D社のAの栄養成分を確認すると、食物繊維、カルシウム、ビタミンB2とB12、ビタミンDが添加され、栄養強化されています。カルシウム、ビタミンB2、ビタミンDは牛乳にも含まれる栄養素なので、オーツミルクを牛乳の代替えとしても取り入れやすいですね。カルシウムやビタミンDは骨の健康維持に、ビタミンB2は脂質の代謝に必要な栄養素です。また、ビタミンB12は主に動物性食品に含まれており、菜食主義の方に不足しやすいといわれている栄養素で、不足すると貧血の原因になります。

また、牛乳には含まれていない食物繊維を摂ることができます。オーツ麦由来の食物繊維は、水溶性食物繊維のβグルカンです。保水性と吸着性に優れた特徴を持ち、腸内環境の改善のほか、満腹感を得やすいことから、食べ過ぎを防ぐ効果もあると言われています。不足しがちな食物繊維を飲料から手軽に摂れるのは嬉しいですね。

 

オーツミルクと牛乳との違い


牛乳は動物性の飲料で、オーツミルクや他の植物性飲料と比べるとカロリーが100gあたり61kcalと高めです。これは、他の飲料と比べると、たんぱく質・脂質・炭水化物が多いためです。脂質が高い分、コクがあり、しっかりとした味わいが楽しめます。牛乳の一番の特徴は、カルシウムが豊富で、吸収率も高い点です。オーツミルクも同じくらいのカルシウム量ですが、元々の原料に入っているわけではなく、栄養強化されていることが多いです。

また、牛乳は他の飲料と比べると安価なので、日々の食卓に取り入れやすいですね。

 

オーツミルクと豆乳との違い


豆乳は大豆が原料であり、豆腐に固める前の状態のものです。カロリーは100gあたり44kcalとオーツミルクとほぼ変わりませんが、牛乳とオーツミルクと比較すると、カルシウムやビタミンD、B2、B12の含有量が少なく、これらの栄養素の補給は期待できません。

豆乳には、鉄分が100gあたり1.2mgも含まれている点が一番の特徴で、他の飲料と比較しても含有量が多くなっています。鉄分が不足しがちな女性は積極的に摂りたい栄養素です。また、大豆イソフラボンという、女性ホルモンの代表であるエストロゲンに似た構造をした成分も含んでいることも特徴です。加齢に伴い減少する女性ホルモンの代替ホルモンとして、骨の健康維持にも期待されています。

味は、豆の風味がダイレクトに感じられるので好みが分かれる飲料ですが、鉄分補給には適した飲料といえます。

 

オーツミルクとアーモンドミルクとの違い


アーモンドミルクは、アーモンドが原料の植物性の飲料で、オーツミルクと同じく「第3のミルク」と言われています。カロリーは100gあたり15kcalと、オーツミルクやほかの飲料と比べるとかなり低くなっています。

他の飲料と比べると、たんぱく質や鉄、ビタミンD、ビタミンB群の含有量が少なく、これらの栄養素の補給は期待できません。

アーモンドミルクは、ビタミンEを豊富に含んでいるのが大きな特徴です。抗酸化作用があり、老化の予防に役立つとされているので美容と健康の強い味方です。

また、食物繊維も多く含まれており、アーモンド由来だけでなく、商品によってはさらに追加されているものもあり、オートミルク同様に食物繊維の補給に適しています。

また、オレイン酸という、不飽和脂肪酸を含んでいます。オリーブオイルにも多く含んでいる脂肪酸で、酸化されにくく、悪玉コレステロールを下げる作用が知られています。

アーモンドミルクは、アーモンドの香ばしい風味があり、すっきりしていてクセがありません。飲みごたえを求める方には少し物足りない可能性も。抗酸化作用を求める方や食物繊維の補給には適した飲料だといえます。

 

オーツミルクを選ぶ理由


オーツミルクは、牛乳と比較すると脂肪分が少なくカロリーが低く、他の植物性飲料には含まれていない、もしくは、少ないビタミンB群、ビタミンDが多く含まれている点、オーツ麦由来の食物繊維・βグルカンが摂取できる点が特徴だと言えます。また、製品によってはカルシウムが強化されているものもあり、栄養面で牛乳の代替として取り入れやすいものではないでしょうか。

 

どれもそれぞれの良い点がありますので、栄養素や味など、ご自身の求めているものとマッチするものを選択されると良いのではないでしょうか。

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