夏に気を付けたい食べ合わせ
8月に入り猛暑日も続いていますが、みなさま体調を崩されずにお元気にお過ごしでしょうか。
暑くなると食欲もわかず、バテ気味の方も多いのでは。
今回のコラムは、夏に人気の食べ物ですが食べ合わせが良くないと言われる
「うなぎと梅干」、「スイカとてんぷら」を東洋医学と西洋医学の両面から取り上げたいと思います。
うなぎと梅干しの食べ合わせ
うなぎと梅干しの食べ合わせが悪いと言われているのは有名ですね。
土用の丑の日に食べるうなぎ。夏バテ解消の疲労回復には、栄養たっぷりのうなぎがもってこいです。
また、梅干しは塩分やクエン酸などを含んでいて、こちらも疲労回復に良い栄養素を含んでいます。
東洋医学的の面では、うなぎは体力回復に、梅は消化促進、食欲増進、暑気あたりによいとされ、栄養学と似たような効果です。
とても相性のよさそうな食べ合わせですが、なぜ食べ合わせが悪いと言われているのでしょうか。
脂っぽいもの、酸味の強いものは共に胃腸に負担がかかります。そのため、一緒に食べると良くないという考え方があります。
特に夏は、冷たいものを飲食する機会が増えるので胃腸が弱りやすい季節です。その状態で刺激の強い「うなぎと梅干し」を両方摂取するのは、負担がかかりすぎるため、あまりオススメできない組み合わせとも言えます。
天ぷらとスイカ
天ぷらとスイカ、こちらもよく聞く有名な食べ合わせですね。
天ぷらは、調理の際に油を使用するため、脂質が多く、消化に時間がかかる食べ物です。
スイカは約90%が水分で、体を冷やす作用がある果物です。
体を冷やすという事は、当然胃腸も冷やしてしまい、冷えた胃腸は働きが悪くなってしまいます。また、多量のスイカを一度に摂取すれば、消化に関係する胃液を薄めてしまう可能性もあります。
東洋医学において、油は種類によって効能はそれぞれですが、共通して便秘・腸の運動に効果があるとされています。また、スイカは体を冷やし、熱中症予防の効能があると言われています。
消化に負担がかかる脂質を多く含む「天ぷら」と消化機能を低下させてしまう恐れのある「すいか」の組み合わせなので、タブーとされてきたのかもしれません。また、脂質は腸の活動を良くするとも言われているので、スイカを食べて体が冷えた状態で腸の活動も良くなると、下痢になりやすいですね。
どちらも食べ過ぎなければ問題ないですが、元々胃腸が弱い人、冷たいものや油っぽいものを食べると消化不良を起こし下痢などを起こしやすい方にはあまりおすすめしない食べ合わせではあります。
まとめ
うなぎと梅干し、天ぷらとスイカの食べ合わせが悪いと言われている理由はいかがでしたか?
実際によく言われる「食べ合わせ」には医学的・栄養学的な根拠があるわけではありません。
特に深刻なほどの体への悪い影響があるとか、 一緒に食べたからと言ってだれもが必ず体調を悪くするようなことはありません。
ですが、「一緒に食べるとよくない食べ合わせ」というものが、 昔から現代に伝えられ続けているということは、 それが長い暮らしのなかの経験から生まれた「暮らしの知恵」のひとつであることは確かです。
夏は冷たいものを欲しがちですが、体を冷やしすぎると胃腸が弱り体調不良に陥りやすいです。何事も腹八分目にして元気に過ごしていきたいですね。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士