【モリンガの栄養】 モリンガの種 の知られざる機能
モリンガは、葉・茎・根・種・花全てを利用することができ、奇跡の木と呼ばれています。
その中でも、注目なのがモリンガの種。原産国のインドでは高い栄養を持っていることから、一般的に食されていますが、日本ではまだまだ知られていません。
いったいどのような栄養や効能が?食べ方や味は?最新データを踏まえご紹介します。
モリンガについておさらい
モリンガは、北インド原産ワサビ科の植物で、インドやフィリピン、タイなど東南アジア、中国、アフリカ諸国、日本などで栽培されています。葉、茎、花、実、種、根まで余すことなく利用でき、地球上の食べられる作物の中で最も多くの栄養素を含むことから、『ミラクルツリー(奇跡の木)』とも呼ばれています。
モデルでタレントのローラさんもハマっていると紹介していたモリンガパウダー。こちらは、モリンガの「葉」を粉砕したものです。モリンガの葉は、90種類以上の栄養素を含み、バランスのとれた栄養素を持ち合わせているのが特徴です。
一般的に、このモリンガパウダーやモリンガ青汁、サプリメントが販売されていますが、いま注目なのは、モリンガの種。
種まで食べらるとは、さすが奇跡の木です。
いったいどんな味でどのような効果があるのでしょうか?
モリンガの種 の味と食べ方、機能を紹介
モリンガの種は写真のように、黒く固い殻に覆われています。
殻を割ると、白いふわっと軽いモノが出てきますが、これがモリンガの種です。
このモリンガの種、なんとそのまま食べれます。
食べると・・・
その味は・・・とっても苦い!!
その苦さが口の中で一瞬にして広がります!!
風味はほとんどなく、クセはありません。
ですが、口の中で噛むうちに次第に甘くなってきます。水を飲むと、水が甘く感じます!
まるでミラクルフルーツのような効果です。種を噛んでからその後1時間ほどは水を飲むたびに味のないはずの水がとても甘く感じられます。
モリンガの種に含まれる成分は、脂質が38%と最も多く、ベヘン酸という種類の油が含まれています。続いて、たんぱく質、炭水化物、食物繊維、その他栄養(ビタミン、ミネラル、タンニン、サポニン、フェノール類など)と、葉に劣らず栄養に富んでいます。
この油は『ベンオイル』として流通していて、古代ローマやギリシャ、エジプト文明の時代から、オリーブオイルのように重宝されていました。また、世界三大美女と呼ばれるクレオパトラが愛用し、エジプトの乾燥から肌を守っていたという特別なものでした。
さらに、男性の強壮剤という、面白い使われ方もしています。インドでは結婚式の日、夫婦にモリンガの種を食べさせる風習があるとも言われています。
最新情報! モリンガの種 を食べると疲れにくくなる?
海外では一般的に食べられているモリンガの種ですが、なかなか日本では手に入りづらい状況です。
そんな中、日本のあるメーカーがモリンガの種の成分のひとつ「グルコモリンギン」を抽出して粉末化したものを開発しました。わざわざ殻をむくことなく、モリンガの種の栄養を効率よく美味しく摂取できます。
最新の研究結果では、このモリンガの種に含まれている成分『グルコモリンギン』が日常の疲れや腰の不安感を和らげる効果があると発表されています。
(掲載論文;診療と新薬 2019; 56: 606-613 Impact of Moringa Seed Extract on Daily Fatigue and Low Back Pain:A Randomized, Parallel, Double-Blind, and Placebo-Controlled Study)
日常において身体疲労を有する健康な被験者各群20名に、モリンガ種子エキス(機能性関与成分グルコモリンギンとして12㎎含有)タブレット、もしくはプラセボタブレットを4週間継続して摂取したところ、日常生活で疲れを感じやすい方の身体的な疲労感を軽減することが分かりました。
日頃の疲れがたまってくると、お休みの日は一日寝ていたり、些細なことでイライラしやすかったりと、いつもの自分とは違ってしまいがち。疲れは溜めずに、なるべく早めに対処しておきたいものです。
モリンガの葉の栄養バランス、モリンガの種の疲労軽減の効果など、モリンガには本当に様々なパワーがあります!まだまだ秘められた効果もありそうで、今後の発展が楽しみです。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士