食べ過ぎ注意?春のスッキリには旬に迎えるたけのこがオススメな理由は?
春の訪れを感じる、たけのこ。国内で食用たけのことして一般的なモウソウチクのたけのこは、3月から5月にかけての時期が旬です。
春のデトックスにはたけのこがおすすめな理由とはどんなところでしょうか?
春はデトックスにぴったりな季節なのはなぜ?
東洋医学において、春は、「蔵する冬」から「生ずる春」へ移る時期。春は草木が芽吹き、万物が生じる季節です。人の身体も同じように、自然界の動きに合わせて動きが活発になる時期。
冬の間にため込んだものを、春に一気に発散していくタイミングです。体にある要らないものをしっかり出して、夏の体に向けて調整していきたいですね。ダイエットを開始するのにもぴったりの季節です。
デトックスには「苦味」の食材を
コーヒーを飲むと便意がくる、といったことはありませんか?
薬膳において、「苦味」の性質をもった食べ物は、体にこもった熱や老廃物を尿や便によって排出してくれると考えています。
コーヒーも苦味の性質を持っているので、薬膳的観点からみると便意がくるのは納得できます。
便と尿で9割近くの老廃物が排出されます。排泄することがデトックスにつながりますので、しっかりといらないものを出していけるからだになりたいですね。
ほかに苦味の食べ物というと、春に旬を迎えるものが当てはまり、ヨモギ、タラの芽、ふきのとう、セリなどがあります。
たけのこの効能や栄養は?
薬膳的な観点において、たけのこは「苦味」で、性質は「身体を冷やす」という分類になります。また、疲れの解消、お腹スッキリという効能があると言われています。
身体を冷やすという性質から、「のぼせ」にも効果が期待できます。のぼせは、顔のほてりやふらつき、ぼーっとする症状が現れ、気や血の巡りが停滞することが原因と考えられています。たけのこは循環器系の働きを助ける作用があると言われており、血の巡りが良くなります。
栄養学の観点において、たけのこの特徴的な栄養素は、食物繊維。食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維がありますが、たけのこに含まれるのはほとんど不溶性食物繊維です。薬膳においてもお腹スッキリの効果が期待できるとありましたが、不溶性食物繊維が多いことからもその効果はありそうですね。
たけのこについている白い粉はなに?
特に水煮のものをカットした時、節と節の間に白い結晶のようなものが付いていることがあります。これは「チロシン」というアミノ酸の一種で、水に溶けにくい性質を持つため、結晶となってタケノコの内部に残ります。タケノコの旨味成分でもあり、食べても害はないとされています。
チロシンは、やる気や意欲を起こしてくれるホルモン、ドーパミンとも関連があって、心身のバランスを保つために欠かせない物質でもあるといわれています。チロシンはタケノコだけでなく、味噌や納豆、チーズを保存しておいたときにも出来ます。
たけのこも食べ過ぎには注意
不溶性食物繊維が多いことから、食べ過ぎには注意が必要です。食物繊維を大量に摂ることで、消化器官に負担がかかり便秘になったり逆にお腹が緩くなったりする可能性があります。
また、身体を冷やす性質があることから、食べ過ぎると身体を冷やしすぎるため、やる気が起きなかったり、動きが緩慢になりやすいです。
たけのこは、木の芽や味噌を合わせて食べることが多いですね。どちらも身体を温める食材で、冷しすぎを防ぐ効果があります。他に身体を温める食材としては、生姜やにんにくなどがあります。
今回は春に摂りたい旬のたけのこを、東洋医学と栄養学の観点からご紹介しました。食べ過ぎには注意して、体の中からデトックスしたいですね。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士