疲れのタイプを知ってからだをケアする
10月に入り、ぐっと冷え込む日が増えました。この寒暖差で体調を崩されている方も多いのではないでしょうか。
夏に冷房や冷たいものの摂りすぎで自律神経が乱れがちな上、秋の朝晩の寒暖差や台風などの気圧の影響が加わって、この時期は疲れがでやすい時期です。
今回はタイプ別の疲れの対策についてお話します。
疲れたと感じたら不調のサイン
「疲れたなぁ」と思ったら、それは体のバランスが悪くなっているサイン。疲れは、初めに現れる体の不調です。この段階でしっかりと対処することが大切です。ほとんどの場合は、休養や栄養をとることで回復していきます。
疲れがたまると、休んでもなかなか疲れがとれない、すぐに疲れるといったことが起こります。こういう体の状態で病院で検査をしてもどこにも異常が見つからないことが多いですが、東洋医学では、内臓の機能が低下していると判断します。体を動かすエネルギーが減っていたり、必要なエネルギーが作りだせなくなっている状態です。
若いときは無理がきいても、そのままの状態を続けているといつか大きな病気になってしまうことも。栄養剤を服用しても、一時的に体力が回復するだけ。
早めに養生をしていくことをおススメします。
疲れタイプチェックリスト
疲れにもタイプがあります。以下にチェックリストをあげますので、当てはまる項目をチェックしてみてください。
①生産不足タイプ
□食欲がない
□胃がもたれる
□下痢をしやすい
□むくみやすい
□朝、寝起きが悪い
□食事のあとに眠くなる
□肌や爪が荒れやすい
②消耗タイプ
□元気が出ず、やる気が起こらない
□足腰がだるい
□息切れしやすい
□夜になると特に調子が悪い
□めまいがする
□体が冷える
□もともと体が弱い
多くチェックがついたほうが、あなたのタイプです。どちらも同じ数であれば、どちらの性質も持ち合わせていると判断します。
疲れのタイプ:生産不足タイプの特徴と養生ポイント
胃腸が弱っているタイプです。胃腸が弱っているため、消化吸収のはたらきが低下し、体を動かすもとの「気」や「血」がうまく作れなくなっています。
しっかり食べないと、と思って無理に食べても、かえって胃腸の負担に。大切なのは、主食をよく噛んで食べることです。脂っこいものや冷たいものは控えて、体を冷やさないようにしたいです。
疲れのタイプ:消耗タイプの特徴と養生ポイント
消費が激しいタイプです。精神的ストレスや過労、加齢のためにエネルギーである「気」を消耗しています。
夜更かしは「気」を下げてしまうので、禁物。夜はしっかり寝て、朝食をきちんととることがポイント。エネルギーの貯蔵庫である「腎」のはたらきを助ける黒ゴマや海藻などの色の黒い食材をとりいれることをおススメします。
食養生ポイント
主食をしっかり食べる事がポイント。体を動かすもとの「気」は旧字体では「氣」と書きます。中に米という字が入っているように、「気」を作るには、まずお米などの主食をしっかり食べることが必要です。胃腸の調子が優れない時は、おかゆやリゾットにするのもおすすめです。
カロリーの摂りすぎは気を消耗します。高カロリーの食べ物は控えて、食べ過ぎや飲みすぎにも気を付けるといいですね。
ご自身のタイプに合わせて、できることから養生して疲れを貯めないようにしていきたいですね。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士