冬に食べたい鱈の栄養と体質別にオススメの食材
タラは1年中で回っていますが、旬は冬。『鱈』という字のごとく、身が雪のように白いことからこの名前がついたと言われています。
旬の時期は栄養価も高く、カロリーが低いのでダイエットにも強い味方。
今回は、鱈の栄養や薬膳的効能、体質別におすすめの食べ方をご紹介します。
鱈の栄養成分は?
鱈に多く含まれている栄養素は、『タンパク質』と『ビタミンB12』です。
鱈に含まれるタンパク質は、切身で100gあたり17.6g。
また、脂質は1%未満と非常に少なく、カロリーは代表的な魚の中では最も少ないのが特徴です。
ビタミンB12は、たんぱく質の合成や脂肪酸の代謝、正常な赤血球を作るために必要な栄養素です。日本人の食事摂取基準では、18歳以上の男女で2.4μg/日の推奨量が設定されています。鱈100gを摂取すると、成人で設定される推奨量の約半分が摂取できることから、鱈はビタミンB12が豊富な食材であることが分かります。
鱈の薬膳的効能とは?
「鱈」の薬膳的効能は以下の3つです。
・疲労回復効果が期待できる
・乾燥した肌や目、髪にうるおいとツヤを与える
・胃腸にやさしい
薬膳においては、鱈は生命エネルギーである「気(き)」と、肌や髪にうるおいを与える物質である「血(けつ)」を補う効果が期待できると考えます。
気は身体に元気を与えて温めたり、外界のウイルスから身体を守る働きがあります。気が減ると疲れやすくなったり身体が冷えやすくなり、免疫力が落ちてしまう場合があります。
また、血が減ると肌の乾燥やくすみにつながります。なので、気と血の充実はキレイと元気を育むために欠かせません。
体質のタイプ別 鱈+おすすめ食材
疲労タイプ
☑胃腸が弱い
☑少し動くだけで疲れる
☑体調を崩しやすい
上記に当てはまるものが多い方は、『疲労タイプ』。気が足りない為、代謝が悪くなっています。
気を補う『鱈』『長芋』『しいたけ』に、胃腸を労わる『にんじん』を組み合わせるのがオススメ。
細かくカットして胃腸に負担がかからないようにするのがポイントです。
冷えタイプ
☑寒さに弱く、冬に調子を崩しやすい
☑温かい飲み物を好む
☑トイレが近く、尿量が多い
上記に当てはまるものが多い方は、『冷えタイプ』。身体をあたためる力が弱っています。
身体が冷えることで、血流も悪くなり色々なものを溜め込みやすくなっています。
気を補い、身体を温める食材をチョイスして、とにかく冷えから身体を守ることがポイント。気を補う「鱈」で温める力を底上げし、「生姜」「ネギ」「ブラックペッパー」など、身体を温める食材を使うのがオススメです。
巡りが悪いタイプ
☑手足が冷たい
☑生理痛がツライ
☑肌のくすみやシミ、そばかすが気になる
上記にあてはまる人は、血の巡りが悪く身体が冷えているため、余分なものを貯めやすいタイプと考えられます。このタイプは、血を増やし血流を良くすることがポイントです。
血を補う「鱈」「卵」と、血流アップに「玉ねぎ」「ニラ」の組み合わせがオススメ。
冷えも気になる方は、生姜やブラックペッパーをプラスするといいですよ。
鍋のイメージがある「タラ」ですが、鍋だけでなく、味噌汁に入れることで手軽にとり入れることができます。
ご自身のタイプに必要な食材をチョイスして、健康な身体を手に入れませんか。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士