食事で調える!インフルエンザに負けない体づくり
毎年寒くなってくる12月から1月にかけて流行するインフルエンザ。この年末年始、インフルエンザにかかったという声を特によく聞きました。
インフルエンザの予防には、外出後の手洗いやうがい、予防接種、マスクの着用、人込みを避けるなどの方法がありますが、バランスの良い食生活で免疫力を高めることも有効です。今回は、食事でできるインフルエンザに負けない身体づくりについてお伝えします。
インフルエンザ予防にはビタミンD!
インフルエンザウイルスなどの感染症を予防するためには、免疫力を高めることが重要です。そこで期待されているのが、「ビタミンD」。
ビタミンDというと、骨を丈夫にする働きがあることはよく知られています。それだけでなく、免疫機能を調節する働きがあるため、この時期には欠かせないビタミンです。
体内にウイルスが侵入してきた際に不要な免疫反応に抵抗し、必要な免疫機能を促す役割を果たしています。このため、インフルエンザ、風邪や肺炎などの感染症への効果も期待されています。
私たちがビタミンDを得る方法は2つあり、1つは⽇光に当たること、もう1つは食べ物から摂取することです。
ビタミンDは魚介類、きのこ、卵の卵黄、きくらげに多く含まれています。⿂は、特に⽪に栄養が多く含まれているため、⽪も残さず食べるのをおススメします。
きのこなどは紫外線が当たることで、含有量が増加しますので、調理前に2〜3時間天⽇⼲しをしてから調理することがおすすめです。ビタミンDは熱に強いので、焼く、ゆでる、揚げるなど様々な調理方法が可能です。
他に免疫力を高める栄養素や食材
インフルエンザを予防するには、抗酸化力のある食べ物や体をあたためる食材、腸内環境を整える食材がおすすめです。野菜、良質なたんぱく質、発酵食品をしっかり摂っていきたいですね!
◆ビタミンエース
栄養素でいうと、ビタミンACE(エース)です!免疫力を高めるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを総称して、ビタミンエースと呼ばれています。免疫⼒を⾼めるためには、抗酸化⼒のある⾷材が必要ですので、緑⻩⾊野菜をバランスよく摂取するなど、この3つのビタミンを意識して⾷材を取りいれることがポイントです。
ビタミンC:抗酸化作用が強く、病気などのストレスへの抵抗力を高める。ブロッコリー、パプリカ、トマトなど。
ビタミンE:抗酸化作用が強く、白血球やリンパ球の働きを助けて免疫力を高める。アーモンド、かぼちゃなど。
◆良質なたんぱく質
良質なたんぱく質とは、体内で生成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれているタンパク質です。アミノ酸の含有バランスを表す「アミノ酸スコア」が高いほど、生体内での利用効率が良く、余分な老廃物となるものが少ないため、良質なたんぱく質と呼ばれます。
・肉類(牛肉、豚肉、鶏肉など)
・魚介類(あじ、あなご、アマダイ、あゆ、いわし、カツオ、カレイ、鰹節、鱚、金目鯛、鮭、ブリなど)
・卵/大豆・大豆製品 /乳類・乳製品
◆発酵食品
ヨーグルト、納豆、みそ、ぬか漬けなどの発酵食品は、腸の善玉菌を増やす働きがあります。腸には免疫細胞が多く含まれているので、腸の善玉菌が増えて腸内環境が整うと、免疫細胞も活性化されます。
◆体を温める食材
体温が1℃下がると、免疫力が30%低下すると言われています。
ねぎ・玉ねぎ・にんにく・ニラ・生姜・唐辛子などの食材は、体を温める作用があります。
生野菜ばかり、冬に夏野菜を摂る、砂糖の多い食べ物、南国のフルーツは体を冷やしますので、なるべく控え、体を温める食べ物を取りいれるのがポイントです。
まとめ
今回は、インフルエンザ予防におすすめの食材や栄養素をお伝えしました。冬は日照時間が減少するのに加え、日本人女性は、紫外線対策をしすぎていて、ビタミンDが欠乏しやすい環境にあります。また、卵や⿂などビタミンDが多く含まれる動物性たんぱく質の摂取が不足しやすいことも冬にインフルエンザの罹患率が増える要因と⾔われています。
冬でもなるべく日に当たること、たんぱく質の質にも気を付けて食材を選んでくださいね(^^)/
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士