2025.04.01

新生活を応援!身につけておきたい食事知識

春から大学生、社会人となり、一人暮らしを始めるなど新生活を迎える方も多いのではないでしょうか。

親御さんにしてみれば、独り立ちをする我が子をみて嬉しい反面、ちゃんとごはんを食べれるのかなど心配になることもありますね。

今回のコラムでは、偏りがちな栄養素と食生活で意識したいことをお伝えします。

 

1人暮らしの食事情


生活環境の変化により、食生活も乱れる傾向があります。特に20代は野菜不足や朝食欠食が目立ちます。

厚生労働省の「国民健康・栄養調査(令和元年)」の結果によると、野菜摂取量の平均値 280.5 gに対して20~29歳の男性の野菜の平均摂取量は233.0g、女性212.1g と、「健康日本21(第2次)」における成人1日あたりの目標量である 350 g 以上に達していません(※1)。

また、農林水産省の「食育に関する意識調査報告書(令和3年)」における朝食摂取頻度においても、朝食を「週に2~3日食べる」あるいは「ほとんど食べない」と答えた20~29歳の男女は27.1%と、他の年齢層よりも高い値でした(※2)。

朝食を摂らないと、エネルギー不足によって集中力や思考力が低下し、特に午前中の勉強や仕事がはかどらない、さらには疲れやすくなるといった体調不良の原因にもなりやすいため、きちんと食べることが大切です(※3)。
また、欠食は血糖値の上昇にもつながるので、朝食は食べる習慣を身に着けておくことがおすすめです。

 

特に偏りがちな栄養素について


「国民健康・栄養調査(令和元年)」と「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、20代は以下の5つの栄養素が特に不足しやすいことが分かっています。

①ビタミンA(β-カロテン)

皮膚や粘膜の健康を助けます。緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。ビタミンAの1日あたりの推奨量は18〜29歳の男性で850μg、女性で650μgです。実際の20~29歳の平均摂取量は約449μgと、男性では、400μg近く推奨量を下回っています。
※μg=1mgの1000分の1

②ビタミンC

皮膚や骨を構成するコラーゲンの合成に関わっています。また、ストレスを感じるとビタミンCを多く消費します。新生活で知らず知らずのうちにストレスを感じている可能性もあるので、積極的に摂りたいビタミンです。ビタミンCの1日あたりの推奨量は成人で100mgに対し、実際の20~29歳の平均摂取量は約62mgです。約40mg近く不足しています。

③カルシウム

骨や歯を構成する重要な栄養素です。カルシウムの1日あたりの推奨量は、18〜29歳の男性で800mg、女性で650mgに対し、実際の20~29歳の平均摂取量は約435mg。推奨量よりも約 200~400mg少ない状況です。
カルシウムは、牛乳やヨーグルトなど乳製品から摂れるイメージが強いですが、飽和脂肪酸が含まれている為、過剰摂取はLDLコレステロール上昇につながりやすくなります。さくらえび・しらす干し・干しエビなど小魚、干しひじき、わかめ、のりなどの海藻類、小松菜、ちんげん菜、水菜、大根の葉、かぶの葉などの緑黄色野菜、木綿豆腐、厚揚げなどの大豆製品、切干大根などから摂取するのがおススメです。

④鉄

血液中の赤血球の材料となり、全身に酸素を運ぶ役割があります。鉄の1日あたりの推奨量は18〜29歳の男性で7.5mg、女性で10.5mg(月経あり)と、女性は男性よりも多くの鉄分が必要です。しかし、実際の20~29歳の平均摂取量は約6.8mg。特に女性の値は6.2mgと、推奨量の6.5mgを下回っています。コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶などのタンニンを含む飲み物は、鉄の吸収を阻害するので食後1時間は摂取を避けることがおススメです。

⑤食物繊維

腸壁を刺激して、腸のぜんどう運動を促す働きや糖質や脂質の吸収を緩やかにする働きがあります。1日あたりの摂取目標量は、成人男性21g以上、成人女性18g以上です。実際の20~29歳の摂取量は平均で1日あたり約16gと、目標量を下回っています。

 

身に着けておきたい食事の内容


いずれも体に必要な栄養素ですが、前述したように朝食欠食や野菜不足など、さまざまな原因で不足気味になっています。
以下のステップを踏んで、欠食や野菜不足を解消していきましょう!

【ステップ1】手軽に食べられるものをそろえておく
まずは忙しいときや食欲がわきづらいときでも何でもよいので、1品でも口にする習慣をつけることです。睡眠中に低下した体温を上げ、体を目覚めさせてくれます。特に忙しい朝は、調理いらずですぐに食べられるものがおすすめです。
例: おにぎり、サンドイッチ、ヨーグルト、牛乳、豆乳、バナナ、野菜ジュースなど

【ステップ2】食事内容を充実させる
食べる習慣がついてきたら、主食に汁物やサラダなど、品数を増やしていきましょう。まずは2品から!そして、3品、4品と少しずつ主食、主菜、副菜、汁物を意識して増やしていくとよいですよ。

<理想の朝ごはんスタイル>

● 主食:ごはん、パン、めん類など
● 主菜:肉、魚、卵、大豆製品(豆腐、納豆)が含まれているおかず
● 副菜:野菜、きのこ、海藻類が含まれているおかず
● 汁物:味噌汁、スープなど

前日の遅い時間に食事を摂ると、翌朝に食欲がなくなり、朝ごはんが食べられない原因になります。さらに、寝ている間も胃や腸が働き睡眠不足にもつながるので、就寝2~3時間前には食べ終わるようすることがポイントです。どうしてもお腹が空いて眠れない場合は、低脂質で消化にやさしい雑炊やスープ類がおすすめです。

 

さて、いかがだったでしょうか。新生活は体力の消耗も激しいですし、知らず知らずのうちにストレスもかかっています。
バランスのよい食事で栄養を補って、体調を調えていきませんか。

 

(※1) 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」
(※2) 農林水産省「食育に関する意識調査報告書(令和3年3月)」
(※3) 農林水産省「朝ごはんを食べないと?」

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