熱中症対策で、スポーツドリンクをがぶ飲みしていませんか?
暑いですねぇ~!!挨拶代わりに何回言ったことでしょうか。
40℃を超えるなど、この夏は異常な暑さですね。
栄養指導をしていると、『熱中症対策でスポーツドリンクをしっかり飲んでいます!』
とおっしゃる方によく出会います。
さてさて、日常においてどれくらい汗をかいたらスポーツドリンクが必要なのでしょうか。
本当にスポーツドリンクが必要なのでしょうか。
栄養指導する側としては、スポーツドリンクに含まれる塩分や糖分が気になるところです。
1時間以上の激しいスポーツをする人以外は
スポーツドリンクは必要なし!!
結論から言いますと、上記が答えです。
もちろん、これは1日3食しっかりと食事を摂っている方に限ります。
まずは、私たちが摂っている塩分量について理解していきましょう!
熱中症対策をしたい、その前に私たちの食事は塩分過多
『平成23年国民健康栄養調査(厚生労働省)』によれば、
日本人の食塩摂取量は、男性10.9g/日・女性9.4g/日です。
一方で『日本人の食事摂取基準(2010年版)(厚生労働省)』では、
食塩摂取の目標量として成人男性9g未満/日・女性7.5 g/日としています。
一日に摂っている塩分量は摂取目標量を軽く超えています。
特に、加工食品やスナック菓子、外食が多い方は、調査結果以上に食塩を摂っている事が考えられます。
そもそも日本人は最低でも2g/日の塩分を摂りすぎているという状況です。
スポーツドリンクに含まれている塩分量と汗をかくと失われる塩の量は??
では汗をかくとどれくらいの塩が体から失われるのでしょうか。
からだの仕組みとして、汗に含まれる塩は再吸収されます。
一般的に、軽い運動や日常生活では汗の塩分濃度は薄く、大量の汗をダラダラとかくときは濃くなります。
汗に含まれる塩分は一般的に0.3~0.9%で変化すると言われています。
日常生活で失われる塩分を0.3%と仮定すると、
500mlの汗には約1.5gの塩分が含まれていると考えられます。
(ペットボトル1本分)
1時間強のランニングで、ようやく約1Lの汗をかくというデータを参考にすると、
日常生活では、そこまでの汗をかくということはありませんよね。
普段の食事で2gも多く摂っているので、日常生活での発汗量であれば、塩分を食事以外でとる必要は無い量と言えます。
いわゆるスポーツドリンクには0.1~0.2%の塩分が入っているため、
500mlのスポーツドリンクには0.5~1gの塩分が含まれている事になります。
また、砂糖はおおよそ30gを含んでいるものが一般的で、角砂糖(4g)換算では7~8個分に相当します。
これは茶碗一杯分の白米(180g)の約半分くらいに相当する量です。
※糖分についてはまた次回詳しくお伝えします。
熱中症対策で、スポーツドリンクをがぶがぶと一日2~3本も飲んでいたら、塩分・糖分過多になりますね!
もちろん、水分補給は必要ですので、お茶やお水はしっかり摂っていきましょう。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士