白菜の栄養をしっかりとる方法
暦の上で11月は冬にあたります。冬になると食べたくなるのが、鍋。
調理も簡単で野菜もたっぷり食べられて、何を作るか困ったときは大助かり!
さて、鍋に欠かせない白菜。
どんな味や具材との相性も良く、煮込んだときの味の染みこんだ白菜は堪らなく美味しいですよね。
実は、白菜の栄養をとるには、鍋がぴったり☆
『鍋には白菜』の謎を、栄養と中医学の面で迫ってみます!
白菜の栄養は11月がピーク
白菜の旬は11月。鍋の季節に備えてバッチリのタイミングですね。
白菜の栄養は、95%が水分で、カルシウム・カリウムが多いのが特徴です。
カルシウムは、日本人が不足しがちな栄養素です。日本の水が軟水であることや、和食には乳製品が少ないことが挙げられます。加えて、カルシウム自体、からだへの吸収率がよくない栄養素であること関係しています。
そこで、吸収率が良いと言われている牛乳と白菜のカルシウムの吸収率について調べてみました。
*牛乳と白菜のカルシウム含有量*
svサイズ (g) |
カルシウム |
Ca吸収率 (%) |
吸収可能な Ca量(mg)/sv |
|
牛乳 | 240 | 300 | 32.1 | 96.3 |
白菜 | 85 | 79 | 53.8 | 42.8 |
※参考図書 基礎栄養学(医歯薬出版 吉田勉著)
※SV(サービング)・・・1回あたりの飲食する量。
一回あたりで摂れるカルシウム量は劣りますが、カルシウム吸収率が良いと言われている牛乳よりも、圧倒的に白菜の方が吸収率がいいんです!2SV(190g)くらいは煮てしまったらペロリと食べれちゃう量ではないでしょうか。白菜で牛乳と同じくらいのカルシウムもしっかり摂れるので、牛乳が苦手な方にも良いですね。
また、カリウムは、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出するので、高血圧の予防に効果があります。さらに高血圧が最大の危険因子とされる脳卒中の予防にも効果が見込めます。
カリウムは水に溶けやすいので、鍋のように汁ごと食べられるものが一番効率よく栄養を摂ることができます。
白菜の栄養は暴飲暴食したときにぴったり
白菜は中医学的にみると、「甘味」・「涼性」の性質を持っています。
※性質(五味五性)についての詳しい内容はこちら!
涼性に分類されるので、漬物などのように生のまま摂るとからだを冷やしてしまいます。
寒い冬、ただでさえ冷えやすいので生で摂るのは注意したいです。
熱を加えることで、この冷やす作用は抑えられるので、鍋にして摂ることは大変からだに優しい調理法ですね。
また、甘味は胃腸を整えて消化を促進する働きがあるので、食べ過ぎ飲みすぎることが多くなる忘年会シーズンを迎える冬にはもってこいなのです!
あ~昨日は食べすぎちゃったよ~~~・・・と、後悔した日には、白菜をたっぷり使った鍋料理でリセットしましょう。
お腹まわりが気になる方は、内臓脂肪が着く前に早めに対策していきましょうね。
栄養学的にみると、鍋に溶け込んだ栄養素をしっかり摂れますし、中学的にみると、鍋にして温めて食べることでからだを冷やさずに済みます。また、消化促進の効果があるので、暴飲暴食しやすいこの季節には理にかなった組み合わせだということがわかりました(^O^)!
鍋には白菜♪白菜といったら鍋、ですね!
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士