餅とあずきの関係
今年のGWは晴天に恵まれてお出かけ日和でしたね。
GWの祝日である5月5日はこどもの日。
端午の節句とも言われ、柏餅やちまきを食べる習わしがありますね。
日本では、正月や節句、季節の行事や祝い事のようなめでたい日に【餅】を食べる習慣があります。
これは、
稲が神聖なものだと考え、崇められてきたことが関係しています。
稲から採れる米は人々の生命力を強める神聖な食べ物であり、米をついて固める餅や、米から醸造される酒はとりわけ力が高いと考えられてきたため、行事には餅でお祝いすることが習慣となりました。
さて、皆さんはお餅をどうやって召し上がりますか?
海苔やしょうゆ、あずきやきなこなどと合わせることが多いのではないでしょうか♪
この食べ合わせ、ただ美味しいからだけでなく、中医学的な側面でみると、よくできた組み合わせなのですよ。
少し中医学のお話をします。
中医学では、食べ物を五味五性(ごみごせい)という分け方をします。
「五味」は、以下の5種類で、食材が持つ味を分類したものです。
味といっても、単純に食べ物の持つ風味だけを指すのではなく、それぞれが体に対して独特の作用を持っています。
たとえば、「酸」には筋肉や内臓を引き締め、汗や尿などが体から排出されるのを抑える効果があり、汗かきな人にオススメです。また、5つの味は対応する体の5つの臓(肝・心・脾・肺・腎)に影響するとされています。
食べ物がもたらす作用で分類する「五性」は、以下のような性質に分かれます。
食べたときに冷やす方向(陰)に働くか、温める方向(陽)に働くかをあらわしたものです。
食物には五味五性が決まっていて、その食べ物を摂ると、どんな働きや性質を持っていて、どの臓器に働くのか?ということが分かります。
さて、餅と食べ合わせの話に戻ります。
餅は「甘」という性質を持った食べ物です。
この食性のものは摂りすぎると体の中で様々な要素がつまりやすくなります。
しょうゆや海藻は「鹹」の性質をもっています。
「鹹」は「塩からい」という意味を持ち、しょうゆや海藻など、塩分があるもの、海産物は「鹹」に当てはまるものが多いです。
この鹹は、つまったものを柔らかくする作用があります。
また、あずきやきなこなどの豆類は、余分な水分をだす作用があります。
摂りすぎると、つまりやすい性質の餅は、しょうゆや海苔、きなこと一緒に摂ることで、体の中でつまりにくくなるという訳です!!!
食べて美味しいだけでなく、体に負担がかからないような組み合わせになっています。
昔から食べられているものは、本当によく考えられていて面白いですね♪
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士