春の養生について
桜も満開をむかえ、花びらが舞うころになってきました。
前回は、中医学にもとづき春に起こる不調の原因についてお伝えしました。
まだお読みでない方はこちらからどうぞ^^
今回は具体的な養生法についてお伝えします。
春の不調対策
◎風邪(ふうじゃ)から身を守る
春に起こる不調として、目のかゆみ、鼻水、頭痛など、上半身に症状が出るのは、風の影響があることをお伝えしましたね。
体に入り込んで悪さをするものを邪気と呼ぶのですが、春は風が邪気にあたります。中医学ではこれを「風邪(ふうじゃ)」といいます。
この風邪から身を守るには、体を温める力がある陽気の食材を摂るようにしましょう。
中医学では、陽気は外部から侵入する病気の原因から身を守る作用もあると考えています。
陽気を補う効果のある食材を摂ることで抵抗力を高め、風に負けない体づくりをしましょう!
*陽気を補う効果のある食材
ニラ・エビ・鶏肉・羊肉・雀の肉・鹿肉・なまこ・乾姜(生姜を干したもの)・胡椒・シナモン・レイシ・フェンネル・ナツメグ など。
◎肝の興奮を抑え、サポートする
イライラやだるさ、やる気のなさなどの精神的な症状は、「肝(肝臓)」が影響しているとお伝えしました。
※肝臓と肝について
西洋医学でいう肝臓の働きと、東洋医学でいう肝は、考え方や概念が違ってきます。区別するため、「肝」と記載しています。
さまざまな臓器の司令塔としてはたらく肝。春はからだの活動が活発になるため、肝もフル稼働です。ですので、肝の気が盛んになりがちです。
また、体内の働きが活発になると「血」を消費するようになります。
すると肝の血が不足して、目のしょぼつき、こむら返り、足がつる、よく夢を見るといった不調が出ます。
肝の働きを落ち着かせる食材や血を補う食材を摂り、自律神経のバランスとったりや様々な不調がでるのを防ぎましょう。
*肝の働きを落ち着かせる食材
蕎麦、あわ、小麦、豆腐、セリ、セロリ、三つ葉、白菜、キュウリ、トマト、ごぼう、キウイフルーツ、あさり、ハマグリ、菊花、茶葉、薄荷、葛(くず粉) など。
*血を補う食材
ほうれん草、にんじん、葡萄(レーズン)、イカ、赤貝、レバー、落花生 など。
旬のものを意識する
春の野菜といえば、ふきのとう、タラの芽、ウド、セリ、フキ、菜の花、タケノコなどが挙げられますね。
ある特徴が共通しているのですが、わかりますか?
実は、春野菜は苦みがあるものが多いのです!
苦味成分は冬の間活動が停止していた胃腸の動きを刺激し、身体に溜め込んでしまった老廃物を排出してくれる作用があります。
中医学では苦味は余分な熱を取り解毒する働きがあるとされていますので、ほろ苦い春野菜には上がりすぎた肝の気を抑えるとともに、デトックスすることで肝のはたらきをサポートします。
何気なく食べていたものも、中医学と照らし合わせると理にかなったものを食べていることがわかりますね!
旬の食材は、その時期のからだに必要なものが旬を迎えます。
春の不調対策としてたくさんの食材を書きましたが、まずは旬の食材を意識してとるだけでも違ってきますよ♪
気になる症状があれば、出来ることから変えてみてはいかがでしょうか^^
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士