1日 に必要な水分量とは?
最近、めまいや頭痛、頻尿、下痢などの症状が出てきた、という方は、『水毒』かもしれません。
水毒とは、中医学的な考え方で、水分の摂りすぎで、体の水分が過剰になっていて起こる症状です。
よくダイエットや健康のために、1日2~3Lは飲んでいます、という方がいらっしゃいます。
本当にそれほどの量が必要なのでしょうか?いったい一日に水はどれくらい飲むといいのでしょうか。
1日 に行われる水分出納量は?
体の中で出ていく水分量と入ってくる水分量をみていきましょう。
大人の1日に排出される水分量は、①尿として1000~1500mL、②不感蒸泄(ふかんじょうせつ)として約900mL、③糞便中の水分(約200mL)などがあり、合計約2Lほどです。
順番に解説していきます。
尿には、2種類あり、体内で生じる老廃物などを排泄するために必要な最小限の尿を不可避尿と呼び、約500mLです。また、一般的に排泄される尿を可避尿と呼び、500~1000mLです。この尿量は、飲料などの摂取される水分量や気温、運動量などによっても増減されます。
続いて、肺や皮膚から排泄される水分(不感蒸泄)は、肺からの呼気に含まれる水蒸気量が約400mL、皮膚から無意識に排泄される(運動時の汗とは異なります)水分量が約500mLになります。
確実に出ていく量は約2L以上であることが分かります。
それに対し、摂取される水分は、①食物に含まれる水分は約800mL、②代謝水といって、各種栄養素が体内で酸化分解されるときに生じる水分などがあり、約300mLです。
飲料以外で、約1.1Lは摂っていることが分かります。
ですので、水やお茶などの水分は、まず最低で1日約1L ほど摂取する必要はありそうです。
1日 のシーン別水分が失われる量は?
日常の行動でどれほどの水分が失われているのでしょうか?
時間や温度が関係してきますので、目安としてご活用ください。
一日、涼しいところでの座り作業を行う場合は、500mlほどの量の水分摂取の必要がありますね。
その他はご自身の生活に合わせてご確認ください。
8時間座り作業の仕事、通勤30分、入浴・睡眠もしっかりとった場合、1.3Lの水分が失われることになるので、先ほどの必要な水分量を合わせると合計2.3Lの水分を摂る必要があります。
冒頭に述べた症状(めまいや頭痛、頻尿、下痢などの症状)がある方は摂取している水分量が多いか、しっかりと排泄ができていない可能性があります。
暑いからといって、クーラー効いた部屋で過ごすのが多くなっていたり、入浴せずにシャワーだけで済ませていませんか?
水分はどうしても『摂ること』だけに意識がいきがちですが、どれぐらい出しているかも考えていきましょう。
最低1日1L、あとは、ご自身の生活にあった量を把握し、適切な量を摂取していきたいですね。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士