増やすだけじゃない、中身も大事!筋肉の質をあげていつまでも元気でいるには
いつまでも元気で若々しく過ごすために、私たちに欠かせない筋肉。最近は、『筋肉の量』だけでなく、『筋肉の質』に注目が集まっています。体重が若いころから変わらないように、なるべく歩いたり、⾛ったりと運動するように気をつかっているのに、
肩こりがひどい、⾵邪をひきやすいなど健康に変化はありませんか
もしかしたら、筋肉の質が低下しているかもしれません。
質のよい筋肉とは?
年齢を重ねても日常動作をスムーズに、できるだけアクティブに過ごすには、体を支え、自分の意思で動かせる筋肉(骨格筋)を維持することが大切です。
筋肉の構造をみていくと、筋肉は筋原線維が集まった「筋繊維」からできています。筋繊維が結合組織によって1つに束ねられたものが筋肉です。筋トレを行って「筋肉の量が増える」というのは、筋繊維が太くなることを意味します。反対に、加齢や運動不足で「筋肉の量が減る」というのは、筋繊維が細くなった状態のことをいいます。
一方、「筋肉の質」は、筋繊維の密度を評価しています。質のよい筋肉は、筋繊維の密度が高く、余分な脂肪や水分、結合組織がほとんど含まれていない状態です。筋肉を収縮させるために必要な組織が多いため、筋力としての力を十分に発揮できます。
最近は、「筋肉の量」だけでなく、「筋肉の質」も高齢者の身体機能の低下に影響を与えているのではないかと研究が進められています。
筋肉の質が良い人はどんな人?
筋⾁の量が多いほど、筋⾁の質も良いのではないかと思うかもしれませんが、同じ筋⾁量でも筋繊維が細く、脂肪や⽔分、結合組織が多く含まれていると筋肉の質は良いとは言えません。
一方、マラソン選手のように筋肉の量は少なくても筋繊維の密度が高く、筋肉の質が良い人もいます。つまり、筋肉の量と質は必ずしも相関関係があるわけではありません。一般的に、部活動などで毎日運動している若者や運動選手は、筋肉の質も高いと考えられています。
私たちが筋⾁の質を良くするために実践できることは、こまめに動く、筋トレで筋⼒を鍛える、しっかりと栄養を摂ることです。
筋肉の質をよくするポイント
筋肉の質をよくする習慣1:こまめに立ち上がり、座りっぱなしを防ぐ
太ももやふくらはぎの筋肉の衰えにより、知らず知らずのうちに筋肉の質が悪くなっているかもしれません。日常的に運動しているかどうかにかかわらず、生活の中で座っている時間が長い人は、まずは、1時間に1回は立ち上がることを意識することから始めてみませんか。
筋肉の質をよくする習慣2:スクワットで太ももの筋肉を鍛える
運動によって筋肉の質をよくするには、大きな筋肉を鍛えることから始めることがおすすめ。ジムに行かなくても大丈夫です。自宅でスクワットをして太ももを鍛える筋トレが効果的です。筋トレをすることで筋肉の質も量も変わるのでまずは2週間の継続を目指してみませんか。
筋肉の質をよくする習慣3:たんぱく質だけでなく炭水化物もとり、減塩を意識する
筋肉の材料となるたんぱく質はもちろん、筋繊維に蓄えられるエネルギー源であるグリコーゲンに変わる炭水化物をしっかりとることが大切です。低糖質ダイエットをすると、筋肉のエネルギー源が枯渇し、筋肉の質が悪くなるので注意が必要です。
塩分の摂りすぎも細胞外液(筋繊維の外部の水分)が増えて、むくみの原因になります。むくみが気になる人は、筋肉の質が悪くなっているサインです。日々の減塩も心がけることがポイントです。
今回は、筋肉の質について取り上げました。筋肉の量よりも、筋肉の質の方が変わりやすいので、ぜひできるところから実践してみませんか。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士