低体温を改善するための養生方法
暦の上では、1月20日に大寒(だいかん)を迎え、1年で一番の寒さを迎える時期になってきました。
風邪など引かず元気にお過ごしでしょうか。
さて、皆さんは体温何℃ありますか?
こちらのコラムに記載したように、36.2℃以下の方は低体温と言われています。
体温が低いと免疫力も下がってしまい、病気にかかりやすくなります。
これからの時期、コロナだけでなくインフルエンザにも注意が必要です。
今回は、平熱が低い方へのおすすめの食養生をご紹介します。
低体温の原因は?
先のコラムにも挙げましたが、低体温になってしまう原因について再確認です。
・冷たいものや甘いものの食べ過ぎ
・季節外れの野菜や果物の摂取
・食べないダイエット
・運動不足
・シャワーだけの入浴
・冷暖房が整っている住環境 …etc
現在の生活環境は、誰もが低体温になりやすい環境にあります。
低体温の原因になる からだを冷やす食べ物や飲み物
薬膳では、あらゆる食材を“体を温めるか冷やすか”という観点で5段階に分類していています。
体をよく温める食材は「熱性」、ほどよく温める食材は「温性」、体をよく冷やす食材は「寒性」、ほどよく冷やす食材は「涼性」、温めも冷やしもしない食材は「平性」と呼ばれています。
旬の季節や採れる場所、食材の色、水分の量などによって性質が分類されています。
<カラダを冷やすといわれている食材>
トマト、セロリ、ナス、キュウリ、レタス、たけのこ、レンコン、大根、アサリ、シジミ、ワカメ、豆腐、小麦粉、緑茶、バナナ、パイナップル、柿
これらの食材は、低体温の方はなるべく控えるのがベスト。食べるとしても生食ではなく、火を通したり、煮込んだ調理方法で食べるようにすることがおススメです。
低体温を改善する からだを温める食べ物
低体温を改善するには、カラダを冷やす食材をなるべく控え、カラダを温める食材、スパイスを積極的に摂りいれることがポイントです。
<カラダを温めるといわれている食材>
かぶ、山芋、百合根、小松菜、人参、南瓜、ニラ、にんにく、ねぎ、らっきょう、栗、牛肉、羊肉、鶏肉、豚肉、えび、鮭、紫蘇、シナモン、生姜、味噌、酢、梅干し、紅茶
温め食材で代表的な「生姜」ですが、大量に食べると不調をきたすタイプの人がいます。
生姜を食べるとパッとカラダが温かくなるのを感じるため、カラダが温まったと思われがちですが持続性はありません。一時的にお腹を温めて冷えを散らすという働きですが同時に乾燥させる働きも持っています。のぼせがある方や乾燥、喉の痛みや赤いニキビのように炎症が強い方は使い過ぎに気をつけて。
上記の「カラダを温めるといわれている食材」を調理済みで冷凍しておけば、忙しいときでもスープやお味噌汁に取り入れることで、いつでも簡単に食べられますね♪
低体温を改善する方法
低体温を改善するには、食養生以外に以下の事も気を配ってみてください。
【入浴】
1日1回はお風呂に入って体温を上げます。シャワーではなく、必ず湯船につかることが大切です。5分でも10分でも構いません。
【スクワット】
下半身の脂肪が落ちるとともに、必要な筋肉も付くので、ふくらはぎや太もも、腰などが引き締まった下半身をつくりながら、血行を良くすることができます。
【呼吸】
日頃ストレスを抱えている人はカラダが緊張している状態にあり、交感神経が優位となり血管を収縮させて血流を悪くさせ、体温が下がってしまいます。
呼吸は吸う息が交感神経、吐く息が副交感神経(血管を拡張させたり、リラックスする働き)と関係が深いため、カラダをリラックスさせ血液の巡りを良くするためにもしっかりと息を吐き出す呼吸が大切になってきます。
冷えは生まれた時からあるものではなく、日常生活の積み重ねで出来てしまったものです。明らかな病的原因がない場合、体を冷やさずに温める生活をすることで改善されます。
日頃のちょっとした不調も冷えが関係しているカラダからのお知らせかもしれませんので、今日から出来ることを一つずつ習慣化してみませんか。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士