春のからだづくり、春に食べたい食材
暦の上で、4月5日ごろに『清明(せいめい)』、4月20日ごろに『穀雨(こくう)』を迎えます。自然もその時期によってさまざまな顔をみせますが、我々のからだもその時々で変化していっています。4月のからだにケアしたいポイントや、摂りたい食材についてお伝えします。
『清明』の時期のからだ
4/5から4/20頃までは、『清明』といわれ、清らかで明るい空気が満ち、草木が本格的に芽吹き始める時期と言われています。実生活でも、新学期や新生活が始まり、さまざまなことが「芽吹く」時期ではないでしょうか。
ただ、変化が多いと不安やストレスも増えるもので、筋肉や胃腸のトラブルへと発展していきます。日々の忙しさで体調管理がおろそかになりがちですが、からだのケアもしっかりと行っていきたいですね。
活動が増えてくるこの時期は、肝臓にしっかり血液が貯められていることが大切です。
『血』不足になっていませんか?
なんだか疲れやすい・・・という時は、血が不足しているかもしれません。
『血』不足は、血虚(けっきょ)と言われていて、体の巡りが悪くなることも。栄養不足になったり、肌がかさついたり、白髪や抜け毛の症状がでるなど、様々な影響があるのでしっかり血を補っていきたいところです。
血虚不足チェックリスト
☑疲れやすい
☑めまいがする
☑動悸がする・バクバクする・不安がある
☑不眠、夢を多くみる
☑目が疲れる、まぶしい
☑筋肉のひきつり、こむら返りがある
当てはまるものがあれば、血虚になっているかもしれません。
『清明』の時期に食べたい食材
この時期は、血を作ると言われている食材を意識的にとることがおすすめです。
おススメの食材
にんじん、ほうれん草、トマト、パプリカ、かぼちゃ
イカ、タコ、赤身肉、レバー
落花生、干しぶどう、プルーン、ナツメ
~おススメの食材を使ったレシピ案~
*かぼちゃのいとこ煮
*タコとにんじんのマリネ
*パプリカの肉詰め
『穀雨』の時期のからだ
4/20から5/6ころまでは、『穀雨』といい、さまざまな穀物に、恵みの雨が降り注ぐころ。春に芽吹いた草花も、水分や栄養分を得て、グングンと大きくなっていきます。春の「土用」と重なり「土の気が旺(さかん)になる」期間とも言われてきたことから、根を張り始めた植物の成長を妨げないよう、むやみに土を掘り起こさないほうがいいとされています。
この時期は、湿度が高くなることから、からだの不調を感じることも多く、さらには心も影響を受けやすくなります。思い悩むことも多くなるかもしれませんが、体内の余分なものを発散させるケアが大切です。
また、朝夕の気温差が10度以上あること多くなります。温度差が激しいと、自律神経が大きく揺さぶられ目眩や血圧の急上昇などがみられます。肝は、こういった環境変化に対応して体を調節しているので、この時期の肝はオーバーヒートしがちです。
肝の熱を冷ます養生で、この時期をうまく乗りきっていくことがポイントです。
『穀雨』の時期に食べたい食材
肝の熱を冷ます効能をもつ食材を紹介します。
おすすめ食材
小松菜、アスパラガス、ゴーヤ、セロリ、トマト、きゅうり
スイカ、イチゴ、バナナ
ホタテ、あさり、牡蠣、豆腐、豆乳
~おススメの食材を使ったレシピ案~
*ホタテとトマトのオムレツ
*牡蠣と白菜の豆乳シチュー
*豆乳バナナオーレ
まとめ
4月の前半は血を補う食材、後半は肝の熱を冷ます食材を摂ることが良いことが分かりました。
毎日のメニューに悩んでいたら、おすすめの食材を使ったレシピにしてはいかがでしょうか。
毎日の食事が日々のからだを作っています。それぞれの時期に合わせたケアをして、健康なからだを手に入れませんか。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士