【時間栄養学】夜のコーヒーは太りやすい!?
鈴鹿医療科学大学で行われた、日本薬膳学会 学術総会に参加してきました。
学術総会というととても堅苦しく聞こえますが、最新の薬膳や栄養についての発表がありました。
今回の学術総会では、冬の養生を考えた薬膳弁当付きのランチセミナーから始まり
同大学東洋医学研究所の西村甲先生の漢方専門医の視点からとらえた薬膳の講演、
早稲田大学先進理工学部教授の柴田重信先生の時間栄養学の講演などで、
さまざまな視点からの薬膳についてお聞きすることができました。
さて、題名にある『夜のコーヒーは太やすい!?』ってどういうこと??と思われたかもしれませんね。
これは、柴田先生が研究されている時間栄養学という新しい学問から分かってきました!!
新しい栄養学の『時間栄養学』
この時間栄養学については、テレビにひっぱりだこの柴田先生。
そんな有名な先生のお話を直接聞けるだけでワクワクしちゃいます。
さて、みなさんは『時間栄養学』というのは聞いたことがありますか?
よく野菜から先に食べましょう!という話を聞きますね。これは時間栄養学に基づいています。ただ食べるだけでなく、どの順番で食べるかによって血糖値の上がり具合が変わってきます。
つまり、「時間栄養学」とは、「なにを、どれだけ」に加えて「いつ食べるか」を考慮した新しい栄養学です。
私たちの体は1日周期のリズムを刻む「体内時計」が備わっています。
時間栄養学にはこの体内時計が密接に関係してきます。
この体内時計があることで、昼は活動モードに、夜は休息モードに自然と切り替わるようになっています。夜になると自然に眠くなるのはこの体内時計の働きです。
また、体のほぼすべての臓器にも体内時計があり、ごはんの時間に合わせて消化酵素を出す準備などもしています。
時間栄養学的には、夜のコーヒーは太る?!
体内時計は、24時間よりも長いため、ほかっておくとどんどんずれていき、体内時計が遅れていきます。
そうすると、夜型の体になっていき、睡眠の質が悪くなったり、中性脂肪やコレステロールも吸収しやすい体になっていってしまいます!!しっかり寝れていないと、体の疲れも取れませんし、お肌にも良くないですし、太りやすい体にもなるのですね~。よく、布団に入っても眠れない・・・といったことはありませんか?それは体内時計が乱れていることも影響があるかもしれません。
体内時計が遅くなることが体へ悪影響であることが分かったところで、題名にあるコーヒーのお話に戻ります。
寝る前にコーヒーを飲むと、カフェインの影響で体内時計が乱れることがわかりました。
体内時計が乱れることで、予定の就寝時間に眠りにつくのが難しくなり、朝起きるのがさらに辛くなります。また、コーヒーを飲むと、体温も上昇するので、体が活動モードに入ってしまい、さらに眠りにつきにくくなってしまうことも分かりました。
夜コーヒーを飲むと寝れなくなる、というのはよく聞く話だと思いますが、体内時計も乱れるという事が新たに分かりました。
コーヒーを飲むと脂肪の吸収を抑えるなど、体によい影響もあると言われていますが、夜にコーヒーを摂るとその効果もほぼないとのことです。コーヒーの良い効果を得たいときは夕方までに飲むことをオススメいたします!
体内時計は、朝ごはんを食べる・日光を浴びることで体内時計がリセットされ、リズムを整えていくことが出来ます。朝ごはんには、魚油やタンパク質を摂ることでよりリズムを整いやすくするそうです。ツナを使ったサンドイッチなど良さそうですね。
朝ごはん抜きの食生活は体内時計もリセットされにくくなるので、しっかりと摂りたいですね♪
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士