2021.07.01

【天然のインスリン】腸内環境を整えるのにぴったりの水溶性食物繊維『イヌリン』とは?

菊芋 キクイモ イヌリン

イヌリンは、腸の善玉菌を増やしてインスリンの分泌を促進させたり、糖や脂肪の吸収を阻害する働きがあると言われ、天然のインスリンとも呼ばれています。

名前は聞いたことがあるという方も多いのでは?今日はイヌリンについて掘り下げていきます☆


イヌリンとはなに?


イヌリンとは、菊芋、ゴボウなど主にキク科の植物の根に含まれており、その他にタマネギやニンニクにも含まれている水に溶ける(水溶性)食物繊維の一種です。

食物繊維は、ヒトの胃や腸などの消化管では消化・吸収されにくい難消化性の糖質です。ごはんやパンなどの、消化・吸収される消化性糖質のでん粉とは異なり、胃や小腸では分解されません。 食物繊維は大腸まで到達し、イヌリンなどの水溶性の食物繊維の多くは、腸内に生息するビフィズス菌のような腸内細菌の餌として利用されることがわかっています。

 

イヌリンの働きは?


イヌリンは糖質であるため、砂糖の2割ほどの甘さですが甘味料としても用いられます。体内に吸収されることがないため、ダイエット食品などに多く使用されています。


水溶性食物繊維であるイヌリンは、粘着性のある食物繊維なので、胃腸内をゆっくり移動する結果、空腹になりにくく食べすぎを防ぎます。さらにこの特徴が、小腸で他の栄養素が吸収されるスピードを緩やかにするので、一緒に摂った糖質の吸収を抑制する働きがあります。

また、先ほども述べたようにイヌリンは胃や小腸では分解されず腸内ではじめて分解され、フラクトオリゴ糖となるため、腸内で善玉菌のエサとしても働き、お腹の調子を整えてくれます

さらには粘着性を活かして、コレステロールなどを吸着し、体の外に便として排出することで、血液中のコレステロールが増えるのを防ぎます

このように、イヌリンには、食べ過ぎ防止、血糖値の急上昇を防ぐ、整腸作用、コレステロールの低下の働きがあると言われています。

 

イヌリンのすごいところ


水溶性食物繊維は他にも様々ありますが、イヌリンのすごいところは、その発酵性の高さにあります。

善玉の腸内細菌にとってイヌリンはほかの水溶性食物繊維と比べて、利用しやすいと言われています。

発酵性が高いほど善玉菌に利用されやすく、有益な代謝物を出します。
野菜や海藻、きのこ類、豆類、ナッツ類、穀類、芋類など、それぞれ種類が違う食物繊維が含まれているので、いろいろと組み合わせて食べると効果的です。

 

イヌリンの摂り方


イヌリンを自然な形で摂るには、菊芋、たまねぎ、ごぼう、チコリ、にんにくなどの野菜に多く含まれていますので、意識して食卓に取り入れると良いですね。

イヌリンを世に広めるきっかけにもなった菊芋にはイヌリンがおよそ18%含まれています。チコリのイヌリン含有量は15〜20%と言われ、菊芋と同じぐらいイヌリンの多い野菜です。ですが、どちらも手に入りにくい野菜ですね・・・一番身近な野菜のたまねぎで約3.5〜4%、ごぼうで2〜6%ほどイヌリンを含有しています。

効率的にとるなら、粉末のタイプのサプリメントや、イヌリンを配合した飲み物もありますので、ご自身のライフスタイルに合ったものをチョイスしていくことをお勧めします。

食物繊維の目標摂取量は、男性21g以上、女性18g以上(厚生労働省:食事摂取基準2020版)とされていますが、平均的には男性で約7g、女性で約4g不足しているとされています。摂りやすい方法で、しっかり食物繊維不足を補って健康的な体づくりを目指しませんか。

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