糖質制限で意識したいこと
気温が25℃を超え、4月でも夏日となる日が増えましたね。
徐々に薄着になる季節。夏に向けてダイエットを意識し始める方も多いのではないでしょうか。
最近は、糖質制限ダイエットがとても話題ですね。
テレビで大々的にとりあげられたり、雑誌での特集も増えました。
大手牛丼チェーン店ではライスをしらたきや豆腐に変更するなど、外食チェーンにも広がってきています。
このダイエット法が話題になったのは、この10年で栄養学の常識が真逆になった背景があります。
経済の成長とともに飽食の時代となってきてから、糖尿病が増加しました。
その糖尿病の増加を防ぐため、運動不足を解消することと欧米化の食事により増えた油の摂取を減らしましょうということが言われてきました。
そのため、ダイエットといえば、カロリー制限が主流で、カロリーが高い脂質を抑えることが常識だったのです。
ですが、残念なことに
脂質制限をしても意味がない
といった報告が多数でできたのです!
▲糖尿病患者数と脂質摂取量の関係(糖尿病療養指導ガイドブック2015)
20世紀のころは脂質の摂取の増加とともに糖尿病患者数は増加していましたが、
21世紀になってからは脂質摂取が減少したにも関わらずさらに糖尿病患者数は増加しています。
栄養学の研究が進んでいるアメリカでは、油の摂取率の上限自体を撤廃しました。
21世紀になってから、たとえ食べる油を控えたとしても、血液中の脂質の数値は良くならならず、食べるコレステロールを控えても血液中のコレステロール値は下がらないということを示すことが分かったからです。
これを受けて、アメリカのタイム誌でも、2014年に脂質制限は間違っていた、という特集が組まれました。
糖質制限ダイエットは、平たく言うと、糖質を控えれば、たんぱく質や脂質はどれだけ摂っても大丈夫!ということになるのですが。
脂質において、やはり意識したいのは、どんな油脂なのか。
一部の書籍の中で、動物性の脂(飽和脂肪酸)の摂取が多いほど、脳卒中の発症リスクが低いということが書かれています。
しかし、その摂取量と脳卒中の発症数の減少の関係の結果をよく見ると、飽和脂肪酸の摂取量は1日20gまでです。20g以上とっても発症のリスクは減っていません。
理解しておきたいこととして、元々、飽和脂肪酸は20gほどは必要量です。
飽和脂肪酸は、肉や加工食品、菓子などから摂取しやすい脂ですし、摂りすぎは、高脂血症につながりやすいので注意が必要です。
油脂は、魚やナッツなどに含まれる不飽和脂肪酸を意識して摂取するように心がけましょう!!
また、どんなダイエットを行うにしろ、ストレスなく、美味しく食べることがとても大切です。
まずは自分のからだの声を聞いて、無理なく取り組めるようになりたいですね。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士