オートミールでダイエットは期待できる?効果と気を付けたいポイント
ここ最近の巣ごもり状況により、健康に気を遣う方が増え、健康を意識した商品の人気が高まっているようです。その中でも、最近話題なのが『オートミール』。オートミールの市場は、直近1年間で前年の3倍まで増加しているほど。(インテージ調べ)
その人気の理由は、豊富な栄養素を含んでいることや、ダイエットの需要が伸びたことが大きな要因だと言われています。
さて、オートミールは本当にダイエットに効果的なのでしょうか?
たっぷり含まれる食物繊維がダイエットをサポート!
そもそもオートミールとは、小麦や大麦とは全く別の種類で、オーツ麦が原料です。エン麦やカラス麦とも呼ばれています。オートミールについては、こちらのコラムにも記載していますので、ぜひご覧ください。
オーツ麦はそのままでは食べられないため、短時間で調理できるように加工したのがオートミールです。
オートミールの栄養の特徴として、食物繊維がとても多く含まれている点が挙げられます。グラフに示したように、100g中に9.4gと他の主要な主食と比較するとダントツの含有量です。
さらにオートミールには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています!
オートミールに含まれている水溶性食物繊維はβ-グルカンというもので、詳しくはこちらのコラムに記載しています。水溶性食物繊維は、善玉菌を増やして腸内環境を整えるほか、腸内で短鎖脂肪酸を作ります。
短鎖脂肪酸が腸から吸収されると、脂肪組織がそれを感知し、脂肪を燃やしてくれるといわれています。また、短鎖脂肪酸がたくさん発生すると、小腸から『インクレチン(GLP‐1)』というホルモンが出ます。このホルモンには食欲を落とす効果もあるとのこと。ほかにも、血糖値の急上昇を抑えるので、ダイエットのサポートにはとても心強い栄養素です。
女性の美と健康に欠かせない「鉄」「亜鉛」が多い
オートミールには、不足しがちな必須栄養素で、女性の美と健康には欠かせない鉄と亜鉛をたっぷりと含んでいます。
特に鉄は、生理がある女性には不足しがちな栄養素No1。鉄が不足すると、酸素の供給が十分にできないため、鉄欠乏性貧血の原因にも。また、疲れやだるさ、肩こりといった症状が現れるだけでなく、シミや抜け毛など美容面でもダメージを受けてしまいます。また鉄はコラーゲンの合成にもかかわっているため、不足するとシワの原因にも。
亜鉛の働きは、体や肌にはとても重要な役割が。皮膚は日々生まれ変わっていますが、肌が正常に新しい皮膚細胞を生みだしていくのに必要なのが亜鉛です。インスタント食品やファーストフードに偏った食生活、極端なダイエットをしていると不足しがちに。肌荒れや抜け毛が多くなったり、疲れやすくもなります。
オートミールに含まれている1食当たりの栄養素と足りない栄養素
ダイエットにオートミールをとり入れるなら、主食の代わりととらえて、1食あたり40gが目安です。オートミール1食あたり40gのエネルギーは、食パン1枚弱と同程度で152kcal。以下に、オートミール・食パン・ごはんそれぞれの1食当たりの栄養素について表にまとめました。
女性の食物繊維の摂取目標量は、1日18g以上。20~29歳の女性は約6~7g、30~49歳の女性は約5~6gの食物繊維が足りないというデータがあるので、不足分を補う形でとり入れましょう。1日に1~2食、朝食や夕食の主食として40gを目安に摂るのはいかがでしょうか。もしくは、1日に1食の主食として40gと、おやつ代わりに20g程度摂るのもいいですね。
また、ダイエットに良いからと、オートミールだけを食べるのはオススメしません。オートミールには少ない、もしくは含まれていないビタミンCやカルシウム、βカロテン、ビタミンD、ビタミンK、葉酸が含まれる食材と一緒にとることがポイントです。たんぱく質も穀物としては多いですが、1食分としては少ないので、卵や肉、魚、大豆製品、乳製品などを組み合わせてくださいね。
☆食材例
ビタミンC;パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、イチゴ、レモンなど
カルシウム:小松菜、モロヘイヤ、切り干し大根、チーズ、牛乳、ししゃも、豆腐など
βカロテン:にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、みかん、スイカなど
ビタミンD:干ししいたけ、きくらげ、シラス、鮭、ブリなど
ビタミンK:ブロッコリー、小松菜、ほうれん草、キャベツ、納豆、鶏モモ肉など
葉酸:枝豆、アスパラガス、イチゴ、大豆、アボカド、レバーなど
もし朝食であれば、オートミールと、チキン入りの野菜サラダやフルーツを組み合わせるなどすると良いのではないでしょうか。バランスよく食べることがダイエット成功の近道となりますので、ぜひ参考にしてみてください。
著者プロフィール
椙山女学園大学卒業後、食品原料商社にて様々な食品原料の開発に携わる。現在は、フリーランス管理栄養士として年間500人以上に栄養指導、食品添加物セミナー、企業のコラムなどを執筆。また、マクロビ・薬膳・自然療法・望診を学び、西洋・東洋の面から見た、病気にならない体づくりを研究中。
《保有資格》
管理栄養士 / 管理薬膳師 / 上級望診指導士